新格闘技イベント「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND―PRIX」(12月29、31日=さいたまスーパーアリーナ)で総合格闘技デビューするシュートボクシング(SB)の“格闘ビジュアルクイーン”RENA(24)が本紙に練習を独占公開。新たな挑戦への決意と不安を赤裸々に語った。

 慣れ親しんだグローブのはずが、オープンフィンガーになると、やはり勝手が違う。この日はレスリングベースの練習を行い、何度となくテークダウンを奪われた。

 それでも「ある意味、楽しかった。最近は『できないことをする楽しさ』というのがなかったので」とSBの“絶対女王”は手応えを口にする。

 参戦を決意したのは8日のRIZIN旗揚げ会見の直前だった。オファーを受けた当初は「無理です」と固辞したが、SBのシーザー武志会長(60)と話し合ううち「SBのためになるなら」と前向きな気持ちに変化した。

 対戦相手も未定だ。しかしRENAは「今は自分のことで必死。不安しかない。相手うんぬんではなく、誰が来てもいいように練習するしかない」と覚悟を決めている。

 実は、総合格闘技は見るのも苦手だった。「打撃は倒れたら終わるけど、総合はそこから先がある。関節技で骨が折れる瞬間が分かるし、血の出る量も違うので…」。一方で「人の(試合)を見るのほど怖いことはない。やったほうがいい」と、あっけらかんと言えるのが女王たるゆえんか。

 もちろん、その裏には自信もある。8月には力の差を見せつけ、TKO勝利で初代SB世界女子フライ級王者になった。現在、総合格闘家の阿部裕幸(45)が主宰する「AACC」でグラウンド対策の特訓中だが「『もしも』のことを考えての練習。寝技で勝負するつもりはない」と断言する。

 さらに「お客さん的にも立ち技でKOしたほうが面白いと思うし、私は私のフィールドで戦おうと思っています。タックルに来たらヒザを合わせますよ」とニッコリ。同じさいたまの地で行われた、ミルコ・クロコップがヒザ蹴り一発で藤田和之の額を叩き割った伝説の一戦(2001年8月、K―1)を再現するつもりなのか?

 来年以降の総合挑戦については「今は次のことしか考えていない。格闘技人生、一回きりの経験だと考えている」としながら「もしかしたらハマっちゃうかもしれないし、やはりもうイヤだとなるかもしれない。やってみないと分からない」とも。最後も「今はスタンドでのKOが理想。きれいな形で勝つ」と宣言した女王だけに、思わず“ハマっちゃう”快勝を期待したい。