【取材の裏側 現場ノート】格闘技イベント「RIZIN.37」(31日、さいたまスーパーアリーナ)で開幕する「RIZIN WORLD GP2022 スーパーアトム級トーナメント」に出場する浅倉カンナ(24)が意外なレジェンドファイターから「闘魂」を受け取っていた。〝野獣〟藤田和之(51)だ。

 2017年の同級トーナメントを制した浅倉だが、昨年は浜崎朱加と大島沙緒里に敗れるなど苦しい1年だった。だが今年4月に実力者のSARAMIを下し復活ののろし。トーナメント1回戦ではパク・シウと戦うが「いまいち目立てていないので…。そこを覆したい。目立ちたいです!」と意気込み、優勝を誓った。

 そんな浅倉と野獣の意外な接点を生んだのは藤田の子供たちだ。格闘技に興味を持ち、パラエストラ千葉ネットワークに入門。多い時には週6日、千葉や柏で汗を流しているという。藤田は「子供たちがお世話になってるんですよ。特に最近は長男が行きたがって週6ペースになっていて…。僕もたまに行って長女の打ち込みの相手をしたりします」と明かす。

 その姿に浅倉は「親子で練習に来られてて、すてきだなって思います。藤田さん、レスリングの指導もうまいんです。さすがだなって思います」。さらに野獣ジュニアとまさかの〝夢の対戦〟も実現していた。「(パラエストラ代表の)鶴屋(浩)先生から『娘さんとスパーリングやってあげて』って言われて。藤田さんが見てる前で娘さんとスパーリングしたんですよ。めちゃくちゃ緊張しました」。現在中学生でレスリング、柔道、柔術などの練習をしている野獣の長女とレスリングのスパーリングを行ったといい「すごく強くて…。いい練習になりました」と振り返った。

 そんな藤田からはトーナメントに向けて「頑張ってくださいね!」とのエールも送られた。野獣から受け取った闘魂を背負い〝トーナメント連覇〟を成し遂げたい。

(格闘技担当・前田 聡)