格闘技イベント「RIZIN.34」(20日、丸善インテックアリーナ大阪)で〝キック界のドン・ファン〟こと皇治(32)が、ムエタイ戦士の梅野源治(33)に判定2―0で勝利した。

 昨年大みそかのYA―MAN戦で判定負けを喫し、当面の休養を示唆した皇治だが、榊原信行CEOからラブコールを送られ今大会に参戦。昨年6月の大阪大会で対戦し、自らのバッティング(頭突き)でノーコンテストになった梅野と再戦した。

 試合は、序盤から皇治があまり頭から突っ込んでいかない展開。ローキックの打ち合いなど真正面からのぶつかり合いとなり、皇治は重いボディーもヒットさせるなど攻め込む。梅野の蹴りをつかんで殴り返すなど、3R打ち合った。

 結果、判定2―0で皇治が勝利。すると戦前、勝てば次のステップを表明するとしていた皇治はマイクを手に「6月、武尊と天心が必死こいて開催が決定して、それに乗っかるダサいファイターが多いですけど。どうしてもファンが見たいというなら、申し訳ないけどそこでトーナメントをやりましょう。K―1の電気ナマズ(芦澤竜誠?)、レタスだかパスタだかいうヤツ(レオナ・ペタス?)、中村のぼうや(中村寛?)とかで60キロのトーナメントをやりましょ。俺も冬眠明けでムエタイのチャンピオンに勝っちゃうんだから、本気出したら余裕やろ」と5月でのキック卒業から一転、まさかの〝卒業延期〟と6月に予定されている立ち技のメガイベントでのワンデートーナメント開催をブチ上げた。

 さらに試合後のインタビュースペースで皇治節が加速する。鳴りを潜めたバッティングについては「(対策を)だいぶしましたよ。これでバッティングしたらヤバかったでしょ。ホンマ悔しかったんですよ。今日会場入りする時に震えたくらい。トラウマって言ったら気色悪いけど、ぶっちゃけ怖かったですね。『バッティングなんか絶対するか』と思ったし。初めて気を使って試合をしました」と本音を吐露。

 また、ワンデートーナメントをブチ上げたということは〝トライアスロン〟への転向は先送りか問われると「トライアスロンって(いろいろな競技が)ゴチャゴチャじゃないですか。そういう意味で、格闘技のトライアスロンに挑戦したい。今はRIZINなんで、RIZINのファンに認められたいっていうのもあるし、盛り上げられてない自負もあるので、そういう意味で〝トライアスロン〟かと思いまして。ただ、実績もくそもまだまだないので、それは準備ができてから報告したい。大みそかくらいにトライアスロンデビューしたい。その〝トライアスロン〟がはっきり何なのかはまだ言わないでおきたいです」と答えた。

 皇治の言う「トライアスロン」が何なのかは大体想像がつくが、それを指摘するのは野暮というものだろう。

 また、試合後に対戦した梅野が判定結果に強い不満をブチまけたことには「知らんがなって話ですよ。わかんないですけど。倒しといたらよかったですけどね。(不満を)言ったら言っただけ(価値が)下がりますよね。まあ、いいんじゃないですか。それでまたSNSが沸くんで。なんとでも言ってくれたら。しゃあないですけどね。俺もそういう思いをしてきたし、彼には彼のがあるんじゃないですか」と苦笑い。

 一方、3Rで自身のパンチがヒットした直後に梅野が尻もちをつき、スリップと判定されたことに「そんなことより、あれはどう考えてもダウンでしょ。レフェリーは寝とったんかいな。まあ、いいんですよ、勝ったから」と話していた。