〝バカサバイバー〟青木真也(38)が、新年早々に毒ガスを噴射だ。昨年大みそかの格闘技イベント「RIZIN.33」(さいたまスーパーアリーナ)を振り返り、緊急分析。2022年も絶好調のバカサバイバーは、豪華カードがそろった大会をどう見たのか。声をしゃがれさせて語ったその内容を2回に分けて配信する。前半は大会の軸を担い、結果の明暗が分かれた朝倉未来、海の〝最強兄弟〟だ。

 ――バンタム級トーナメントは扇久保博正が優勝して交際中の彼女にプロポーズし、幸せをつかんだ

 青木 俺は1つ言いたいことがあるんだ。扇久保、お前2回目だろ。格闘技だけじゃなくて再戦に強いな。

 ――なぜ正面から人を祝福できないのか(呆れ)

 青木 俺も(離婚からの)再起戦に何度も挑んでるんだけど、全く勝ちが見えそうにない。再起戦の回数だけなら扇久保より俺の方が臨んでいるはずなのに…。

 ――それはさておき決勝で朝倉海が完封されたことも意外だった。見立ては

 青木 朝倉海はケガもあったみたいだけど、それプラス〝イップス〟なんだと思う。負けの怖さを知ってしまって、以前の様に怖いもの知らずで攻めれなくなってる状態。それに加えて、ボクシングの練習をしたことで距離感も少し変わっちゃったんだよね。天才が練習しすぎて普通の人になっちゃうパターンがあるじゃん。それに近いかもしれない。

 ――経験と練習で完成度が上がったものの、強さが下がった状態だと

 青木 そういうこと。

 ――一方で斎藤裕へのリベンジに成功した兄の未来はどうか

 青木 まず前回の試合を振り返ると(スタンドの攻防で)斎藤選手が朝倉さんの内側(正対する位置)に立ったんです。本来、相手の外側を取るっていうのがセオリーなんですけど、それを無視した斎藤さんが〝勝負のあや〟で勝ったんです。僕は、そこに関してはラッキーだったんだと思います。

 ――なるほど

 青木 それで今回も斎藤さんが内側を取ったんです。今回もセオリーから外れた。

 ――しかし未来は前回の経験から対策はできていたと

 青木 そうです、そうです。となると斎藤選手のパンチは当たりやすいけど、朝倉さん的にはディフェンスしやすいんです。で(斎藤は)テークダウンも取りづらい。結果、今回はリスクなく朝倉さんが打撃を当てられる距離だったんですよ。そこら辺の立ち位置で勝負が決まった感じですね。