大みそかの格闘技イベント「RIZIN.33」(さいたまスーパーアリーナ)で、朝倉未来(29)が斎藤裕(34)に判定勝ちでリベンジを果たした。

 昨年11月に判定で敗れた斎藤裕とのリマッチに臨んだ未来だが、1Rはペースを握られる。序盤はともにパンチを打ちながら距離を取る静かな展開だったが、約2分過ぎたところで斎藤に組み付かれてコーナーに押し込まれ、ヒザ蹴りを左足に受ける。さらにラウンド終了直前に未来は左のパンチを顔面に食らうなど押された。

 だが、2Rは未来が一気に主導権を取り戻した。中盤まで1R同様に斎藤のペースだったが、打撃を顔面に受けた未来は笑みを浮かべて一気にギアを上げる。右のパンチにフックを合わせて顔面にクリーンヒットさせてふらつかせると、一気にラッシュを仕掛けて大流血に追い込んだ。

 3Rは開始早々蹴りが交錯し、ともにグラつく。さらに未来がテークダウンを仕掛けて攻め込むなどペースを握り、最後はタックルをつぶして上から容赦なく殴るなど圧倒した。

 結果は判定にゆだねられたものの、3―0で文句なしの勝利を手にした未来は、珍しく安どの笑顔を浮かべて「僕は強気な性格でユーチューブとかさせてもらってるんですけど、今回は毎日悪夢を見るくらいの重圧に耐えて勝つことができたんで、うれしいです」。さらに「本当に練習からきついことをやってきたんで。斎藤選手のおかげで強くなれた。久々に大勢の前で試合ができて幸せです。格闘技は素晴らしいというのを伝えていきたいです」と話し、拍手を浴びた。