大みそかの格闘技イベント「RIZIN.33」(さいたまスーパーアリーナ)で、リオ五輪レスリング銀メダルの太田忍(28)が祖根寿麻に圧巻の2R3分55秒TKO勝ちを収めた。

 1ラウンド(R)開始早々テークダウンに成功した太田は祖根の首をギロチンで捕獲。その体勢のまま一度はスタンドに戻ったが、強引にぶん投げて上になるなどフィジカルの強さで試合を有利に進めた。

 2Rはゴングと共に意表を突くバックブローをヒットさせて尻もちをつかせることに成功。そのまま上を取ると首を狙いながら動きの鈍くなった相手にパウンド、ヒザ蹴りでさらにダメージを与えていく。最後は防戦一方になった相手をコーナーに追い詰めると立ち上がって蹴り、頭部踏み付けで致命傷を与えてTKO勝ちを収めた。

 試合後、バック宙で歓喜を表現した太田は「判定じゃだめだよ、KOじゃなきゃ!」と笑顔。さらに「会見でデカいことを言って、1RKOって言ってましたけど、2Rかかりました。もっともっと頑張ります。対戦してくれた祖根選手、ありがとうございました」と勝利を喜ぶと「扇久保さんが優勝候補の井上選手を倒して決勝に進みました。パラエストラ千葉ネットワーク、扇久保選手応援よろしくお願いします」と、練習仲間でバンタム級トーナメント決勝にコマを進めた扇久保博正にエールを送った。

 これで2連勝。リングでの戦いに完全適応しつつあるオリンピアンが、22年のバンタム級トップ戦線に殴り込みをかけそうだ。