大みそかの格闘技イベント「RIZIN.26」(さいたまスーパーアリーナ)で、元バンタム級王者の堀口恭司(30)が現王者・朝倉海(27)に挑戦する。昨年8月、朝倉海に敗れた後、右ヒザの前十字靱帯断裂と半月板損傷の大ケガを負い戦線を離脱した。リベンジを狙う復帰戦を控え、エースは何を思うのか。拠点の米フロリダから10日に帰国し、現在は自主隔離期間中の堀口を米国出発前、国際電話を通じて直撃した。

 ――まずは朝倉海戦への意気込みを

 堀口 前回やられたので、やり返したいなっていう感じです。悲しませてしまった人たちに喜んでもらいたい。あとは、ヒザのことになるとみんな口を揃えて「そんな簡単に復帰できるケガじゃない」とか言ってるので、それも見返したい。「ケガしても全然勝てるんだよ」っていうのを見せたいです。

 ――昨年11月に手術を受けたヒザの現状は

 堀口 使い方によってちょっと痛みが走るところとかはありますけど、100%に近い形で治ってきています。ちょっとだけ硬くなったかなっていう感じですけど、もともとそんなに柔らかくなかったから。

 ――順調な回復だった

 堀口 そうですね。周りから「選手生命終わり」みたいにも言われてましたけど、自分的には「そんなことないんじゃないかな」と思いました。

 ――欠場中は朝倉海の活躍をどう見ていた

 堀口 どんどん進歩してるんじゃないかと思っています。総合(格闘技)的な戦い方になってきているなっていうのはあります。抜きんでてるのは打撃ですけど、全体的にできてきているなと。前回より手ごわい? まあ、そうですね。

 ――復帰戦が即リマッチだ。“試運転”を挟む選択肢はなかったのか

 堀口 そこは関係ないと思います。練習で「もう大丈夫」っていうのがあったから試合に出るわけであって。勝つイメージ? だいたい、できていますね。

 ――帰国後に2週間の自主隔離期間が必要だ

 堀口 そうですね。そこはうまくしながら部屋で練習するしかないなと。自分の家の少し広い部屋にマットを敷いて練習しようかなと思っています。今までと違う調整になっちゃうので、いつもより早く行かないとって感じですよね。

 ――大きな変化といえば、フロリダに家を買ったそうだが

 堀口(所属の)ATT(アメリカントップチーム)のオーナーから「引退後に、もしよかったらコーチになってくれ」って言われたんです。それで恩返しじゃないですけど、引退後はATTでコーチになろうと思ったのもあって買いました。

 ――復帰戦は海外でも注目を集めている。米「ベラトール」のバンタム級王者フアン・アーチュレッタ(33=米国)からはSNSを通じて対戦を希望された

 堀口 次勝って、ベラトールの返上したベルトも取り返したいなあと思ってます。

 ――ボクシング元5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(43=米国)が来年2月28日に東京ドームの格闘技イベントに出場する

 堀口 そうなんですか! へー!

 ――大会関係者はメイウェザーの相手候補に堀口選手を挙げている

 堀口 え! なんで自分なんですか(笑い)。興味? そりゃあ、まあ、ありますけど、まずは海君に勝たないと。そこは先の話かと思います(苦笑い)。