大みそかの総合格闘技イベント「RIZIN.26」でプロデビューする2016年リオデジャネイロ五輪レスリング男子グレコローマン59キロ級銀メダルの太田忍(26)が14日、練習を公開し強気のコメントを並べた。

 百戦錬磨の所英男(43)を相手に総合格闘技(MMA)ルールで挑む注目の一戦に向けて、この日は「3割くらい」の力で2分間のミット打ちを披露。鋭いジャブや力強いストレートなど、打撃への適応が進んでいることをうかがわせた。「みんなが期待しているレスリング能力を見せられればいいが、それよりも太田忍がMMAに順応できるかを見てほしい」としたうえで「打撃への恐怖はあまりない。やってやろうという思いのほうが強いし、負けん気が強いので痛いとかはない。派手な試合を求められているかもしれないけど、判定でもいいから勝ちたい」と勝利へのこだわりを見せた。

 オリンピアン、しかもメダリスト。周囲からの期待は嫌でも高まるが、本人はいたって冷静だ。「レスリングの実績は何もものを言わない。ファイターとして初めての試合なので、チャレンジャーとして臨みたい」とレスリング時代のプライドは捨てている。

 ここまでの練習でテークダウンを奪われたことはほとんどないそうで「(グレコにはない)足へのタックルも自分ではうまいと思っている」とレスリング技術を生かした戦いには自信を見せる。本番まであと半月余り、さらなる強化を図って衝撃のデビューを飾るつもりだ。