お祭り男のサプライズ参戦はあるのか!? 格闘技イベント「RIZIN」の榊原信行CEO(56)がプロ野球の阪神と日本ハム、米大リーグのメッツなどで活躍した新庄剛志氏(48)に熱烈ラブコールを送った。新庄氏は現在、インドネシアのバリ島から帰国し14年ぶりの現役復帰を目指しているが、榊原CEOは「もう一つの選択肢」として格闘技挑戦を仰天提案。正式オファーを出す方針を固めたのだ。恒例の大みそか決戦に向け、今後の動向に注目が集まる。

 その目は真剣そのものだった。榊原CEOは「新庄さんに出てほしいですね。RIZINとして、ぜひラブコールを送りたいです」と本紙を通じてメッセージを送った。唐突にも思えるが、決して荒唐無稽な話ではない。

 新庄氏は9月27日に行われた「RIZIN.24」の会場さいたまスーパーアリーナを訪れ、観戦している様子がフジテレビ系列で生中継された。メインで“キック界の神童”那須川天心(22)に敗れた元K―1ファイターの皇治(31)と交流があり、その応援だったという。会場で新庄氏とあいさつを交わした榊原CEOは「ちょっとしか会ってないけど、すごい体でした。ムキムキ。あれだけの体があれば(格闘技も)いけるんじゃないかな」と期待感を口にした。

 日本球界復帰を目指す新庄氏は、12月に開催予定のプロ野球の「12球団合同トライアウト」を受ける意向とされ、自身のインスタグラムでトレーニングの様子や鍛え上げた肉体をアップしている。そんな新庄氏に対し榊原CEOは、別の選択肢として「格闘技挑戦」を提示した形で「可能ならばトライアウトの視察も行きたい」と意欲をのぞかせた。

 仮に新庄氏が次の“戦場”にRIZINを選べば、ビッグインパクトになることは間違いない。2018年大みそか決戦ではボクシングの元5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(米国)が参戦を果たしたが、それすら超える話題になるだろう。常に地上波放送での視聴率が求められるRIZINだけに、のどから手が出るほど欲しい存在と言える。

 もちろん最高のデビュー戦の舞台も用意される。今年も開催を予定する大みそかのお祭りイベント、さいたまスーパーアリーナ大会がその筆頭候補。現役時代から人を驚かせること、派手なことが大好きな新庄氏だけに「目立つ舞台」というキーワードを前面に押し出せば可能性は十分ある。榊原氏も「もしかしたら、まんざらでもないんじゃないですかね」と勝算ありだという。

 話題性だけでなく、アスリートとしての潜在能力にも期待が大きい。日本での活躍はもちろん、大リーグでも01~03年にメッツなどでプレー。01年には日本人として初めて大リーグで4番を務めた。俊足や強肩で知られる通り、フィジカルの強さも一級品だ。

 48歳という年齢がネックとも言えるが、トレーニングを通じて現役時代に近いコンディションをつくり上げたと自負しているだけに問題はないはず。榊原CEOは具体的な交渉について「まずは一回、皇治を通じて話をする機会をつくれるようにします。その上で新庄さんを口説こうと思います」と語った。

 PRIDE時代にはプロレスラーの藤田和之やケンドー・カシン(石澤常光)、覆面レスラーのドス・カラスJr.(メキシコ)らを参戦させ、吉田秀彦や瀧本誠といった柔道の五輪金メダリスト、レスリング五輪金メダルで“カレリンに勝った男”ルーロン・ガードナー(米国)ら大物アスリートを格闘技のリングに導いた。一方で俳優の金子賢をリングに上げ、話題を集めたことも。RIZINでも大相撲の元大関把瑠都や元幕内大砂嵐だけでなく、先日は元十両貴ノ富士のスダリオ剛がデビューした。数々のサプライズを実現させてきた榊原CEOの熱い思いが、元球界のスーパースターに届くか注目だ。

 ☆しんじょう・つよし 1972年1月28日生まれ、長崎県出身。西日本短大付属高3年時の89年、阪神から5位指名され入団。92年からレギュラーに定着し、一躍人気者となる。2000年オフにFA宣言し、メッツに入団。01年オフにジャイアンツに移籍し、02年に日本人初となるワールドシリーズに出場した。04年から06年まで日本ハムでプレー。引退後はマルチな才能を生かし、タレントに転身した。右投げ右打ち。現役時は181センチ、76キロ。