キック界に敵なし!那須川天心「ボクシング転向」のタイミング

2020年09月28日 05時15分

皇治に完勝した那須川天心。もはやキック界に敵はいない

〝キックボクシング界の神童〟こと那須川天心(22)の周囲が騒がしくなってきた。キックボクサーとして「あと10試合は絶対にやらないと思います」と公言したことから、かねて浮上するプロボクサー転向が現実味を帯びてきたのだ。27日の格闘技イベント「RIZIN.24」(さいたまスーパーアリーナ)では元K―1ファイターの皇治(31)に完勝し、もはやキック界に敵なしの状態であることを証明。このまま次なるステージに進むのか、さらにそのタイミングは?

 皇治と対戦した那須川は1Rから全く寄せつけず、一方的に攻撃を放った。飛びヒザ、ハイキック、パンチと当て続け、3Rにはプロレス式のドロップキックまで披露。キック界随一の頑丈さを誇る相手をダウンさせることはできなかったものの、文句なしの判定3―0の勝利で「勝ててよかった。ほぼほぼ何ももらわなかったんで、よかったかなって思います」と笑顔で振り返った。

 試合前から異例の注目を集めた。試合を中継したフジテレビの大会事前番組で「(キックは)あと10試合は絶対にやらないと思います」とし、次のステップとしてボクシング転向を考えていることを口にした。テレビ中継の中でもこれについて触れられ、当然試合後には報道陣から質問が飛んだが、那須川は「期限ですね。期限をちゃんと決めないと。なあなあになっては嫌なので」と語るにとどめた。

 では実際に転向に向けた動きはどのような状況なのか。那須川が所属するジム「TARGET」の会長で、ホームリングとする立ち技打撃格闘技イベント「RISE」の伊藤隆代表(50)は本紙の取材に「近い将来、確実にボクシングに転向すると思います」と明言した。

 さらに「格闘技界にとどまる男じゃない。彼がチャレンジしたいなら、我々は全面的にバックアップします。キックを制したらボクシングを制して、最後はMMA(総合格闘技)でチャンピオンになって。そうしたら唯一無二の存在になるじゃないですか。彼にはそこまでやってもらいたい」。RISEの屋台骨であるキック界のスーパースターを快く送り出すという。

 その時期については「本人(の意向)もあるし、先方の業界もあることだし、そこはもっと話し合っていかないといけない。『近い将来』とだけにしてください」と話したが、プロモーターとしての思いを問うと「1年~1年半かけてキックボクシングでの集大成をつくり上げていきたい」と断言した。

 転向のタイミングは神童自身の決断やボクシング業界の受け入れ態勢、さらには新型コロナウイルス禍の状況にも左右されるだろう。しかし現実的に考えれば、来年も含めた極めて近い将来となる可能性が高く、それまでに神童にふさわしい〝花道〟を用意するつもりだ。

 すでにボクシングの名門・帝拳ジムでも定期的に練習を行っており、準備は着々と進む。RIZINの榊原信行CEO(56)も「僕もぜひボクシングに行ってもらって、3年先か5年先にボクシングでけじめをつけたら、また戻ってきてほしい。そのタイミングで、天心の対角に立てる日本人選手を育てておくことが一つの課題になるのかもしれない。天心にはチャレンジを見せ続けてほしい」と語った。

 キックでのカウントダウンが始まった那須川は、ますます格闘技界の話題を独占することになりそうだ。