格闘技イベント「RIZIN.23」(10日、神奈川・ぴあアリーナMM)での第3代RIZINバンタム級王座決定戦で、〝最強兄弟の弟〟こと朝倉海(26)が修斗世界フライ級王者の扇久保博正(33)に勝利して悲願のベルトを手にした。

 圧巻の勝利だった。開始から正確なパンチ、キックを放ち寄せ付けず。相手が組み付こうとしても突き放し、最後は右アッパーを顔面に叩き込んでグラつかせてから左のヒザ蹴り、パウンドと休まず攻めて戦慄のサッカーボールキック2連発でとどめを刺した。

 昨年8月、当時同級初代王者だった堀口恭司(29)にノンタイトル戦でKO勝ちして挑戦権をゲット。しかし堀口がケガで王座を返上し試合は流れ、大みそかにマネル・ケイプ(26=アンゴラ)と第2代王座を争いまさかの敗北を喫した。しかし、ケイプが主戦場を米国の格闘技団体「UFC」に移して王座を返上したため再びチャンスが巡ってきた。

 そのチャンスを1R4分31秒TKO勝ちでものにした朝倉海は、渡されたベルトを腰に巻いて「本当は去年の大みそかに取りたかったんですけど。みなさん、お待たせしました! 本当に悔しくて、必死こいて練習してきました。しっかり準備をして自信を持って臨むことができました。やってきたことは間違っていなかった。よかった。扇久保選手は下を向く癖があったので、アッパーとヒザは狙っていました。みんなが期待しているカードは、僕と堀口さんのカードだと思うんで、実現させてください」と話した。