格闘技イベント「RIZIN」の榊原信行CEO(56)が2日、会見をインターネット配信。19日に横浜アリーナで予定されていた「RIZIN.22」の中止を発表した。

 理由について「新型コロナウイルスの終息がどっちに進むか分からない中、開催したい思いで3月いっぱい待機をしていましたが、断腸の思いで中止とさせていただきます。観客の皆さんや選手、関係者の安全を担保できる状況にない」と話した。5月17日に予定していた仙台大会開催も中止。中止2大会に代わる興行を夏以降に行い、過去同様に年間6~7大会の開催を目指すとした。

 4~6月には大会を行わないと断言。「できれば夏に格闘技界で力を合わせてメガイベントを開催したい。真夏の格闘技の祭典を」と垣根を越えた格闘五輪の開催を提言した。

 また、電撃的にUFCと契約したバンタム級王者、マネル・ケイプ(26=アンゴラ)の移籍を認めた上で「引き抜かれたのかよ!と思うかもしれませんが…引き抜かれました(苦笑い)。UFCで活躍した後にまた戻ってきてくれることを信じて送り出したい。これからはこういうことがないようにしっかりやりたいと思います」と、ベルト保持者との契約方法を見直すことを示唆した。

 さらに3月22日に強行開催し社会的な関心を集めたK―1の年間最大興行「K’FESTA.3」について言及する一幕も。「ひと事とは思えない。自分がその立場だったらと考えさせられました。個人的にはやるべきタイミングではないとも思いますが、プロモーターとしては僕もやっていた可能性があると、正直思います。なぜならあのタイミングでやめるのは経済的負担が本当に大きいので」と力説。

 大規模イベント開催を巡って政府の専門家会議が慎重な対応を求めたのはK’FESTA開催3日前の19日。西村康稔経済再生相が大野元裕埼玉県知事に対し、主催者に自粛を求めるよう要請したのが開催前日で、大野知事は大会当日の試合前に会場のさいたまスーパーアリーナを訪れていた。

 大会直前での自粛の要請について榊原CEOは「会場費が無料になるとしても選手の移動交通費や、それまでの宣伝広告費などを考えれば(中止による損害は)億単位だったと思う。それを全部引き受けてやめる決断は民間企業にはできない。やめることを求めるならバックアップを提案してもらわないと…」と話した。