大みそかの格闘技イベント「RIZIN.20」(さいたまスーパーアリーナ)へ向けて緊急事態が発生し、今後に注目が集まっている。

 朝倉海(26)とのタイトルマッチが決まっていたRIZINバンタム級王者の堀口恭司(29)が、練習中に右前十字靱帯断裂など全治10か月の重傷を負い欠場。8月の名古屋大会で初のKO負けを喫した朝倉海との雪辱戦が流れた堀口は「本当に申し訳ない…としか言葉が見当たりません」とのコメントを寄せ、王座返上を申し出た。

 RIZINの榊原信行CEO(55)は目玉カードの一つが消滅したことにショックを隠しきれない様子だったが「このピンチをチャンスに変えるようなマッチメークをご期待いただけたら」と気持ちを切り替える。となればRIZINの中心選手、朝倉海の代替カードが焦点に。考えられるのがバンタム級の暫定王者(堀口の返上が認められた場合は新王者)決定戦だが、榊原氏は「コアなファンも大事ですが、年末の大会ですしボブ・サップVS曙じゃないですけど『エーッ』というカードも考えたい」とスペシャルマッチへの路線変更を視野に入れる。

 そうなると昨年9月に堀口とキックルールで対戦した那須川天心(21)や、昨年末にその那須川と激突したフロイド・メイウェザー(42=米国)のようなビッグネームも相手候補に浮上する可能性がある。榊原氏は「まずは近日中に海選手と会って話してからですね。とにかく出し惜しみのない、一期一会のカードが組めたら」と災い転じて福となすような“逆転ホームラン”を画策中だ。