強い父をアピールだ。格闘技イベント「RIZIN.19」(12日、エディオンアリーナ大阪)で開幕する「RIZIN FIGHTING WORLD GP 2019 ライト級トーナメント」に出場する“クラッシャー”こと川尻達也(41)が2日、都内で練習を公開し、打倒パトリッキー・“ピットブル”・フレイレ(33=ブラジル)を誓った。

 米国の格闘技団体「ベラトール」から送り込まれた優勝候補との一戦に向けて、フックに特化したミット打ちを披露し、順調な調整ぶりをアピール。「期待してもらえてはいるけど、『正直、川尻相当きついだろ』みたいな空気も感じる。イラッとするし、なめんなよって思うんで。勝ちます」と意気込みを語った。

 意地でも負けられない理由がある。2連敗で臨んだ7月のアリ・アブドゥルカリコフ(ロシア)戦直前、8歳の愛娘から「お父さんって、本当に昔は強かったの? 最近負けてばっかりじゃん」と言われた。この言葉に奮起して連敗を脱したばかりだけに「今回も娘は見に来る。ようやく強いところを少し見せられたので、もっと強いところを見せないと、また厳しいこと言われちゃいますから」と力を込めた。

 翌13日にシンガポールの格闘技イベント「ONEチャンピオンシップ」に臨む青木真也(36)からは「川尻も俺も生き残るからな。俺につなげろよ」とエールを送られた。これに対して「青木に激励されるようになったら、落ちたもんですよ」と笑いながらも「彼の存在が俺を現役でいさせてくれるのは事実」と受け取った。PRIDE、DREAM、そしてRIZINの3団体でのGP出場は史上初。酸いも甘いも知り尽くした男が虎視眈々と優勝を狙う。