パッキャオVSメイウェザー「世紀の再戦」の実現度

2019年04月11日 11時00分

榊原氏はパッキャオの参戦に自信あり!? 右は那須川、左は大雅

 格闘技イベント「RIZIN」は9日、ボクシングの現WBA世界ウエルター級王者で6階級制覇王者のマニー・パッキャオ(40=フィリピン)が「RIZIN.15」(21日、横浜アリーナ)に来場すると発表。推薦選手の派遣も決まったが、気になるのはパッキャオ自身の参戦だ。多くのハードルが存在する中、榊原信行実行委員長(55)は意欲満々。元5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(42)との“世紀の再戦”も現実味を帯びているというのだが、本当なのか?

 榊原氏はこの日、パッキャオとプロモーションに関する契約を結んだことを明らかにした。

 横浜大会に来場し、推薦選手のフリッツ・ビアグタン(23)が“キック界の神童”那須川天心(20)とキックボクシングルールで戦う。パッキャオからは「いつかRIZINのリングで戦えたらいいと思っている」とビデオメッセージが届いた。

 RIZINは昨年大みそかにメイウェザーと那須川によるボクシングルールのエキシビションを実現させ、世界中で話題を呼んだ。そのため榊原氏は「将来的には上げたいと思ってます。アプローチ、交渉はしていきたい」と意欲を示す。

 では、クリアすべき問題は何か。本紙昨報通り、現状ではRIZIN参戦が実現したとしてもボクシングルールなら「公式戦」で試合をすることは難しく、メイウェザーのように記録に残らない「エキシビション」に出場することになる。

 ただ公式戦ではないといっても、ファイトマネーは桁外れ。2015年5月のメイウェザーとの“世紀の一戦”では両者のファイトマネー総額が300億円超とされる。昨年の大みそか決戦ではメイウェザー本人が約10億円を稼いだと暴露。当然、同額以上の資金が必要となるはずだが、パッキャオに近い関係者は「彼はお金のことは言わない。メイウェザーより安い金額でも問題ない」と明かし、5億円前後が相場とみられるという。

 母国フィリピンでは上院議員として活躍し、大統領選出馬も噂される身。すでに名誉と金は手にしており執着はないとのことで、榊原氏も「メイウェザー対天心が大赤字だったかと言われればそうではない。(試合映像)配信も含めぶったまげるほど売り上げも上がっているわけです。もちろんメイウェザーよりは少し安くしたいですけど、現役の世界王者ですからね」と自信ありげだ。

 また引退しているメイウェザーと違い、パッキャオは現役の世界王者。仮に王者のまま日本の格闘技イベントに上がるとなれば、WBAからの王座剥奪処分などボクサーとしてのキャリアに傷がつく可能性も考えられる。その点もRIZIN側がパッキャオに確認したところ、非公式な試合であれば「問題ない」との返答を得たとかで、気にはしていないようだ。

 3つ目の問題は対戦相手だ。メイウェザーと那須川の試合はウエート差が大きく、圧倒的にメイウェザー有利なルールが採用されたため、ほかならぬパッキャオがミスマッチを批判している。そこで浮上するのが、メイウェザーとのリマッチだという。

 前出の関係者は「本人がRIZINでの試合をやりたがっているのは事実」としたうえで、大みそかでの再戦実現に向けて動きだしていることを明かした。

 ただ、9日に来日したメイウェザーは「1回やって勝っているし、納得していないファンがいるのかもしれないけど、もう引退しているし。お互い年も取ったことだし、基本的にはやらないだろう」とつれない返事。実際、15年に“世紀の一戦”が実現するまで6年の時を要した。パッキャオのRIZIN参戦が実現するかは、意外にもメイウェザーがカギを握っているのかもしれない。