格闘技イベント「RIZIN.13」(30日、さいたまスーパーアリーナ)で総合格闘技(MMA)デビューする大相撲の元幕内大砂嵐(26=エジプト)の対戦相手が“野獣”ボブ・サップ(44=米国)に正式決定した。

 夢カードを実現させた榊原信行実行委員長(54)は「見る人も共有できるテーマがあると思います。スーパーヘビー級の中では久しぶりにインパクトのある試合を組むことができました」と胸を張った。

 大砂嵐については「曙の無念を晴らすための一戦になりますし、ジョシュ(バーネット)からも日本のプロレスの魂を伝授してもらえているはず。曙のように『また見たい』と思わせる色気のある戦いを見せてくれるのでは」と予想した上で「格闘技で名前を売って、テレビタレントや政治家として食っていこうという意思はない。格闘技をなりわいにして、実績を積みたいという本格的な転向です」と期待をかけた。

 一方のサップは現在、MMA戦で13連敗中。無気力ともとれる戦いを見せたこともある。榊原委員長も「最近、わざとやってる感があるのは確か。『ケガする前にギブアップしちゃえ』みたいな」と苦笑い。だが「ここで負けたら今後のオファーが来にくくなるというのも分かっているから、期するものがあると思う。だからタイに早くから行って準備している。曙のにおいを感じて本能的にも“ビースト”のスイッチが入ると思います」と分析した。

 最後に「リングが壊れるくらいの肉弾戦になってほしい。今年はこのカードでプロレス大賞を狙います!」とぶち上げた。MMA戦でベストバウト受賞となれば、東京スポーツ新聞社制定「プロレス大賞」史上初の快挙となるが、果たして…。