格闘技イベント「RIZIN.12」(12日、愛知・ドルフィンズアリーナ)で“お祭り男”矢地祐介(28)が、ヴァンダレイ・シウバ(42=ブラジル)の刺客、ルイス・グスタボ(22=同)にまさかのKO負けを喫した。

 RIZINマットで5連勝と勢いに乗っていたエース候補が沈んだ。開始早々から圧倒的な圧力で前進しつつパンチ、キックを出す相手の戦法に苦しむ。2Rに入るとヒザ蹴りで右まぶたを深く切られ、最後はパンチをアゴに叩き込まれてマットに沈んだ。

 試合後は「負けちゃったんで何も言えないっすね…。(リベンジ)したいっていうのもあるけど、まず今日、悪いところが出ちゃったんで。結果を受け止めて能力を上げていくしかないっす」と話すにとどめた。

 かねて「RIZINで勝ち続けて、世界中から俺を倒すために強いやつらが集まってくるようにしたい。(PRIDE時代の)五味(隆典)さんとか桜庭(和志)さんみたいに」との野望を持っている。この敗戦で足踏みしそうだが、RIZINの榊原信行実行委員長(54)は「いや、むしろ敗戦を糧に強くなるチャンスでしょう。そういう野望があるなら、なおさらだよね」と力説。そのためにも「“鉄は熱いうちに打て”ではないが、ケガがないならすぐ再起戦をするほうがいい。9月30日の大会でね。どんどん戦ってもらう」。コンディション次第では休養を与えず、次大会「RIZIN.13」(さいたまスーパーアリーナ)の出場オファーを出すことを示唆した。

 KO負けからわずか1か月半後の再起戦。いばらの復活ロードを歩ませることで、進化を促すことはできるか。日本格闘界の未来のためにも、矢地の早期復活に期待したいところだ。