キックボクサーの大和哲也(26=大和ジム)が快挙を成し遂げた。「NJKF 2014 8th」(15日、東京・後楽園ホール)で行われたWBCムエタイ世界スーパーライト級王座戦で、大和は王者のサゲッターオ・ペットパヤタイ(27=タイ)を3R1分53秒、TKOで下して新王者になった。

「眼光が鋭くて、向こうが本気なのが分かった」と感じとった大和は序盤から仕掛けた。1Rから落ち着いてローを打ち込んでいくと、2Rでは左のフックを命中させる。迎えた3Rでは、左のヒジをサゲッターオの鼻にヒットさせた。「感触があった」とここからラッシュを仕掛けると、王者は鼻から大出血。レフェリーが試合を止めた。

 同王座はボクシングのWBCが管轄するキックのベルトだが、昨年5月の王座挑戦ではサゲッターオのヒジで流血してTKO負け。「あの時は4R負けだったけど、今回は3R。倍返しですよ」と見事なリベンジに成功した。

 試合後はリングに1歳の愛娘・衣知花(いちか)ちゃんを上げた大和は「ベルトが喜んでる。『1年半待ったかいがあったね』と言っている。このベルトは扉で、先の道はボクがつくっていく」。日本のキックボクシング界に金字塔を打ち立てた大和が新時代を築く。