空手のプレミアリーグ・パリ大会で5個の金メダルを獲得した日本選手団が31日、羽田空港に帰国した。

 昨年世界選手権で初優勝した女子68キロ超級の植草歩(24=高栄警備保障)はまさかの銅メダルに終わった。世界選手権に次ぐグレードの大会で敗れ「新ルールの試合の難しさがあった。改善しなきゃいけない」と悔しがった。今月から導入された新ルールはポイントで並んだ場合は先に取ったほうが勝利となる。昨年12月の全日本選手権で連覇。年末年始にオフを挟み、モチベーションの維持も難しかった。「気持ちが切り替え切れていなかった。コンディションのコントロールもきちんとしないといけない」と雪辱を誓った。

 一方、女子個人形で優勝したのは大野ひかる(24=大分市消防局)。現役消防士という異色の肩書を持ちながら、平日は1日2~3時間の練習を重ねて頂点に立った。武器はその強靭な精神力で、消防学校時代は炎天下での厳しいトレーニングに加え、20人の同期の中で紅一点という過酷な環境の中で過ごした。「地獄みたいでした。男の子だらけ。メンタルは格段に上がった」。今年は海外で経験を積み、全日本王者になることが目標。「しっかり1年間やっていきたい」と拳を強く握った。