2020年東京五輪の大会組織委員会の追加種目検討会議による国際競技連盟(IF)ヒアリングが7日、都内で行われ、候補の8競技(野球・ソフトボール、ボウリング、空手、ローラースポーツ、スポーツクライミング、スカッシュ、サーフィン、武術)は“500人枠”という新たな壁を巡る攻防を繰り広げそうだ。


 追加種目がいくつになるかなどが不透明ななか、1日の国際オリンピック委員会(IOC)の総会で新たに出てきたのが参加選手は「500人を超えない程度」という上限。検討会議の武藤敏郎副座長(72)もこの数字が「重要な意味を持っている」と話した。


 現時点で最有力と見られているのは五輪開催の実績があり、十分な集客が見込める「野球・ソフトボール」。この日のヒアリングには、プロ野球ソフトバンクホークスの王貞治会長(75)も出席し「日本国民が熱望していると思う」とアピールした。ただ、団体競技の野球・ソフトボールは300~350人の選手参加が想定され、すんなり追加種目入りすれば、500人枠の半分以上が一気に埋まってしまう。現状では残りを各種目が奪い合う展開だ。


 そんななか、日本発祥という強みを持つ空手は「クルマの両輪のように対をなすもの」(世界空手連盟・奈蔵稔久事務総長)と形と組手、2種目の実施を希望。またサーフィンは男女合わせて144人、ボウリングは同120人の参加を提案しているが、いずれが選ばれても、枠はほぼ埋まることになる。


 このままの人数で2番手で追加種目入りを狙うのか、参加選手数を絞り込む妥協案で滑り込みを狙うのか。他との兼ね合いを見ながら、各IFは選択を迫られる。


 組織委員会が提案する種目は9月28日に決まり、来年8月のIOC総会で最終決定する。開催都市が追加種目を提案するのは初の試みだけに、まだまだ先の見えない展開が続きそうだ。