【五輪種目入り候補】“巧妙なアプローチ”に成功していた空手

2015年06月23日 15時59分

【五輪追加種目“有力団体”の勝算と思惑:空手】2020年東京五輪組織委員会は22日、都内で追加種目検討会議を開き、立候補していた26競技団体を一次選考として8団体に絞った。最終選考のヒアリング(8月7~8日)に進んだのは野球・ソフトボール、ボウリング、空手、ローラースポーツ、スポーツクライミング、スカッシュ、サーフィン、武術の8団体。9月末に国際オリンピック委員会(IOC)に提出される団体数が明かされないなかで、“有力団体”の勝算と思惑を探った。

 野球・ソフトに続く有力候補とされる空手は、全日本空手道連盟(JKF)が会見を開き、安堵の表情を見せた。IOCに最終的な候補として提出される団体数は不明で、この日も組織委は口をつぐんだ。今後の協議によっては「野球・ソフトのみ」の可能性もあり、空手も一次通過を手放しでは喜べない。

 ただ、関係者は一様に自信を口にする。その視線は、早くも追加種目が正式決定する来年8月のIOC総会に向けられるほど。IOCに対し、アゼルバイジャン・バクーで開催中の第1回ヨーロッパ競技大会で“巧妙なアプローチ”に成功していたからだ。

 空手は13~14日に競技が行われたが、会場にはIOCのトーマス・バッハ会長(61)を筆頭に副会長や理事がズラリ。「理事が6~7割来ていた」(関係者)。日本からもJKF笹川堯会長(79)が飛び、会場や公式パーティーであいさつを交わした。IOCへの直接の働きかけは禁止されており、JKFもこれを否定したが、効果はてきめんだった。

 しかも、肝心の競技が大盛り上がり。会場は午前と午後で異なるチケットが発売されたにもかかわらず超満員となり、2万人の観衆を動員した。「あれを見たら、オリンピック競技として外せないんじゃないか。(バッハ会長の視察は)IOC内部に空手を推す人が何人かいて、その人たちがきっちり責任を果たしてくれている」(同)。こうした大きな仕掛けができるのも、世界190か国が加盟する空手の強みだ。

 東京五輪への追加種目をめぐっては、ルールの異なる新極真会(緑健児代表)も中谷元防衛大臣(57)を顔役に働きかけをしている。しかし、笹川会長は“後輩”の中谷防衛大臣を「あれは防衛専門だから。俺のは攻撃だから」とバッサリ。「みんな来ますよ。オリンピックに決まったら(友好団体に)入ればいい」と悠然と呼びかけた。

 国内外において勢いは増すばかりだが、果たして?