失墜した東京五輪組織委の権力

2015年02月10日 16時00分

 2020年東京五輪組織委員会が国際オリンピック委員会(IOC)の対応に苦慮している。

 

 5日のIOCプロジェクトレビューでジョン・コーツ調整委員長(64)が、野球・ソフトボールや空手などが立候補している追加競技の決定は来年8月になるとの意向を示した。この影響をモロに受けたのが組織委だ。

 

 コーツ氏の来日まで、追加競技の決定を今年の7月と見込んで準備をしていた。9日には都庁で第1回種目追加検討会議を開催。7月に決定であれば中身も含めて重要な会議になるはずだったが、武藤敏郎事務総長(71)は案の定、「具体的にどうなるか全くの白紙」と繰り返すのみ。集まった大勢の報道陣は肩透かしに終わった。

 

 追加競技の選定も立候補を含めてすべてが振り出しに戻るという。追加競技の選考評価基準はIOCが4月に作成する予定。コーツ氏は世界の競技人口、男女バランス、コストなどが条件になることを示唆した。基準に満たない団体は組織委がふるいにかける前に立候補する資格もなくなる。五輪を盛り上げるため、開催都市に追加競技の提案権を与えた「五輪アジェンダ2020」だが、組織委の権力低下は否めなくなった。

 

 すでに名乗りを上げている各団体も、組織委よりコーツ氏の発言を重く受け止める。ある団体の幹部は「基準に満たないのでダメと言われたら受けざるを得ない。こんなに早くダメと決まるとは思わなかった」と撤退することも示唆しており、組織委のかじ取りに不満の様子だった。