空手「悲願の五輪競技入り」へ秘策あり

2015年01月13日 11時00分

会見する世界空手連盟のアントニオ・エスピノス会長

 2020年東京五輪での実施競技入りを狙う空手に“秘策”あり。全日本空手道連盟(JKF)の笹川堯会長(79=元衆院議員)は、採用された場合にかかる総額2億円に上る経費を「ポケットマネーで出す」と関係者に話していたことが判明した。野球とソフトボールの追加が有力とされる中、空手の大逆転はあるのか。

 開催国が提案できる2020年東京五輪の追加競技は、2月に組織委員会が国際オリンピック委員会(IOC)に提出する開催基本計画に盛り込まれる。

 現在、追加競技に立候補しているのは野球、ソフトボール、空手、スカッシュ、ウエークボードなど。各団体が必死のPRを行っている。そんななか、過去3度、五輪競技の候補になりながら落選した世界空手連盟のアントニオ・エスピノス会長(67)が8日、日本記者クラブで会見し「オリンピック種目として運営する準備が整っている」と熱く訴えた。

 現状では計画に加えられる追加競技が1つという可能性もあり、日本国内で人気の高い野球とソフトボールが頭ひとつリード。空手は2番手と見られているが、JKF関係者によると、追加競技に採用されるためのポイントは、(1)人気、(2)盛り上がり、(3)経費にあるという。(1)の人気については世界189か国に普及しており、理解は得られると判断。(2)の盛り上がりについても、今後世界中でイベントを開催するなど、さまざまなプランを練っているという。

 もっともネックとなりそうなのが(3)の経費。東京都や組織委員会は五輪の肥大化を防ぐため、大規模な経費削減に着手。会場計画の見直しや各県の施設活用を打ち出している。新たな競技の実施で経費が増えるようであれば、採用を見送る大きな理由のひとつになる。日本オリンピック委員会(JOC)関係者も「野球、ソフトはかなり経費がかかるでしょうし、実施にいくらかかるかは判断のひとつになる」と明言した。

 どの団体も予算は限られている。だが空手にはある“秘策”があるという。前出の関係者は「笹川会長が『ボクがポケットマネーで費用を出す』とおっしゃっているんです。だから経費はかかりません。組織委員会からは1円も出させない」と明かし、すでに笹川会長の意向は、組織委員会の森喜朗会長(77)や舛添要一都知事(66)にも伝達済みだという。

 具体的な金額も算出している。エスピノス会長は五輪に採用された場合「世界大会と同等の種目数(16)が保たれれば」と理想を掲げた。東京で開催された世界大会は08年が最後。この時、経費は5日間で「2億かかった」という。普及のためのテレビ放映料の数千万円も含まれており「実質は1億ぐらい」(同関係者)。五輪で必要なすべての資金を笹川会長が負担するとなれば、財政問題を抱える都は大助かりとなるのは間違いない。

 すでに会場に予定している日本武道館も全面協力を約束しているという。同会場は柔道競技の利用が決まっているが「午前は柔道、午後は空手と時間も確保してくれる」(同関係者)。空手にとって母国日本での五輪競技入りは悲願。逆転へのアドバンテージは十分にありそうだ。