最後までやり切った。東京五輪・空手競技(5日、日本武道館)、女子形決勝で清水希容(27=ミキハウス)はサンドラ・サンチェス(スペイン)と対戦し、0・18点差及ばず、銀メダル。試合後には「やっぱり金メダルがよかったなと思う」と大粒の涙を流した。

 かねて金メダルを目標に掲げてきた清水。満を持して得意形「チャタンヤラクーサンクー」で挑んだが「入りは落ち着いてできた。でも、普段から自分の中でちょっと苦手するような部分で呼吸が合わなかったりとか、急いでしまった。自分の中で練習通りにできたかと言われると、それができなかったところは悔しかった」と唇をかんだ。

 一昨年に採点方式が変わってからは、思うような結果を残せない日々が続き、昨年12月の日本選手権では8連覇を逃した。「ここ5年間は負けることも増えてきて、勝ち負けを気にしすぎてしまい、自分の演武ができないっていうことがあって苦しんできた」というが、この日は「今日は自分だけに集中して、相手じゃなくて自分という形を打とうと思って(五輪の舞台に)立てたことが一番今回の財産だったという風に思う」と振り返った。

 とはいえ、もちろん満足はしていない。「自分自身がまず納得のできる演武が打てなかった時点で、自分の敗因となる部分を作ってしまったと思う。その部分を今後も稽古でしっかり取り組んでやっていきたい」と気合は十分。ここで立ち止まる気はさらさら無さそうだ。