帝京大は10日、内部調査委員会より「空手道部の調査に関する調査報告書」を受領したと明らかにした。

 同大を練習拠点の1つにしていた東京五輪・女子組手61キロ超級代表の植草歩(28=JAL)が3月下旬に、同大空手部師範で全日本空手道連盟の香川政夫前選手強化委員長(65)からパワーハラスメントを受けていたと告発。それを受け、同大は4月2日に弁護士の片岡理恵子氏を委員長とする内部調査委員会を発足し、全容の解明に向け調査を進めていた。

 内部調査委員会は55枚の報告書で一連の騒動を詳細に分析。同大は「今回の調査結果を受けて、空手道部においては、香川師範による学生に対する暴力的な指導にあたる行為は認められないものと判断いたしました。なお、内部調査委員会からの『学生スポーツとしての空手指導のあり方』に関する提言については真摯に受け止め、施策を着実に実行して参ります」とコメントした。

 全日本空手道連盟(全空連)側は、すでに選手強化委員長の解任と全空連理事の辞任を決議。一方で、パワーハラスメントに関しては認定しないとの見解を示していた。
 また、関係者によると、香川氏は引き続き、同大空手道部の師範として学生の指導を行うという。