空手の東京五輪組手女子61キロ超級代表の植草歩(28=JAL)が、全日本空手道連盟の香川政夫前選手強化委員長(65)からのパワハラ被害を告発した件を受け、韓国で過去に起きたアスリートへのパワハラ問題が改めてクローズアップされている。

 韓国紙「スポーツソウル」は「植草歩と同じ五輪選手であれば、女子ショートトラック韓国代表で(平昌五輪3000メートルリレー金メダリストの)沈錫希(シム・ソクヒ=24)の〝事件〟があった」と報じた上で「ショートトラック韓国代表のチョ・ジェボム元コーチが沈錫希にパワハラや性的暴行を加えていたことが発覚し、懲役1年6か月を言い渡された。その後、服役中だった元コーチは今年1月に性犯罪容疑で懲役10年6か月を言い渡された」と振り返った。

 コーチという立場を使い、教え子に悪質な行為を繰り返していたチョ・ジェボム氏。しかし、同紙によると、23日に行われた裁判で「(被害者と)合意の下で性的関係を結んだことがある」と主張したという。

 同氏の弁護士も「合意を得た上で、性的関係を持ったことがあるという点を認めている」と説明。性的関係を持ったことは認めるが、双方の合意があったとの見解を示したのだ。

 沈錫希の涙の訴えでチョ・ジェボム氏が刑事罰を受けることになったが、まだまだ波紋は広がりそうだ。