全日本選手権(13日、東京・日本武道館)女子形の決勝が行われ、東京五輪代表の清水希容(27=ミキハウス)は決勝で大野ひかる(28=大分市消防局)に敗戦。女子最多タイとなる大会8連覇はならなかった。

 清水は得意の「チャタンヤラ・クーサンクー」を披露。26・94点を叩き出したが、大野は「パープーレン」で清水を上回る27・42点をマーク。無念の準優勝となった。

 今季の清水は、1月のプレミアリーグ(PL)パリ大会で3位に終わるなど苦戦続き。「この1年間やってきたことを出そうと思っていた。この武道館できっちり勝って、自信を持って来年の五輪に挑みたいと思っていた。技術もそうだが、気持ちの面でまた負けるんじゃないかなっていうのがよぎることが多かった」と唇をかんだ。

 コロナ禍で試合がない時期は、基礎固めに専念。「稽古してきたことは間違っていない」と確かな手応えを感じているものの、今大会で浮彫りとなった問題は〝メンタル面〟だ。

 金メダル獲得が期待される東京五輪までは残り約7か月。「この結果を受け止めて、何がダメだったのかと、自分自身が強い気持ちで大会に臨みきれない弱さを振り返って、五輪までに取り組んでいきたい」と前を向いた。

 東京五輪前に訪れた大きな試練。果たして乗り越えることはできるだろうか――。