全日本選手権(13日、東京・日本武道館)、女子組手が行われ、東京五輪61キロ級代表候補の染谷真有美(27=テアトルアカデミー)は準々決勝で姿を消した。

 一度は東京五輪の代表に内定したが、5月に世界空手連盟(WKF)が東京五輪の予選方式の見直しを発表。女子組手61キロ級と男子組手67キロ級が全競技を通じて初の再選考となる異例の事態が発生した。それでも、染谷は「五輪に向けてやるべき課題が多くて、どこまで上げられるかを考えていたので、期間ができた分練習をやり込めると思っている」とモチベーションが落ちることはなかった。

 しかし、この日は島愛梨(20=帝京大)に0―5で敗戦。「負けてしまった試合は、技が暴れてしまったり、定まっていなかった。動く相手を仕留めようとはしたが、技が大きくなってしまったり、相手に読まれて反対に斬られたりした」と悔しさをにじませた。

 とはいえ、落ち込んでいる暇はない。来年4月に五輪選考戦を控えていることから「4月の大会の前に国際大会があれば出場したいと思っている。日本人と海外の人はいろいろ違ったりするので、それを踏まえた上で練習して、しっかり試して自分の力を底上げしたい」と力を込める。

 かねて掲げる目標は「大切な人たちと一緒に笑って終わりたい」。女子組手61キロ超級で五輪切符を逃した姉・染谷香予(29=テアトルアカデミー)の思いも胸に、必ず代表の座を勝ち取るつもりだ。