東京五輪女子組手55キロ級代表の宮原美穂(24=帝京大職)が大学時代の先輩で東京五輪女子組手61キロ超級代表の植草歩(28=JAL)に宣戦布告だ。

 全日本選手権(13日、東京・日本武道館)の女子組手は無差別で行われる。基本的に宮原と植草の階級が異なるため、対戦することはない。しかし、今大会は五輪代表同士が激突する可能性も十分にある。実際に2017年大会では決勝で相まみえた。その時は、植草に敗れていることから「当時は守りに入る自分がいた。今年は(植草)歩先輩と練習する機会が増え、自分から攻めた方がポイントは取りやすいと感じている。歩先輩と戦うことがあれば自分から仕掛けていきたい」とリベンジに燃える。

 今大会は、約9か月ぶりの実戦。モチベーションの維持が難しかったはずだが「試合がなかった分、逆に今までできなかった練習ができて空手が楽しいと思えた」とポジティブシンキングで課題としてきた中段突きなどの練習に励んできた。

 当然、自分より重量のある選手に勝つことが簡単ではないことは理解済み。それでも「小さい人にしかできないしつこさやスピードで勝負して初優勝したい」と不敵な笑み。〝柔能く剛を制す〟の精神で日本一の座をつかみ取る覚悟だ。