【空手】女子・植草はレスリング特訓 男子67キロ級は佐合と篠原の一騎打ち

2020年05月27日 16時40分

金メダル候補の植草

【どうなる?東京五輪・パラリンピック(49)】 大躍進なるか――。東京五輪で念願の初採用が決まった空手は、複数種目での金メダル獲得が期待されている。一方、新型コロナウイルス感染拡大の影響で本番が史上初の1年延期に。先行きが見通せなくなった中で、現状はどうなのか。今回は雷神ジャパン(空手日本代表)の組手にスポットを当て、女子の中野秀人監督(58)と男子の林晃監督(59)が注目選手や五輪代表の再選考問題について語った。


【女子】来夏の東京五輪に臨む組手の女子は3階級のうち、55キロ級の宮原美穂(23=帝京大職)と61キロ超級の植草歩(27=JAL)が代表確実。再選考となった61キロ級は、染谷真有美(26=テアトルアカデミー)と森口彩美(24=AGP)が最後の座を争っている。

 そんな中、一番の注目選手は、2016年世界選手権68キロ超級で優勝、18年大会では準優勝の植草だ。中野監督は「しっかりとトレーニングで体を鍛えているので、あの重い階級ではすごいスピードがあるほうだし、連続技もスピードがあって、前にしっかり入っていく力がある」と高く評価している。

 だが、今年に入ってからのプレミアリーグ3大会ではいずれも表彰台を逃した。植草も「自分にとっては屈辱でしかない」と唇をかむなど、金メダルに向けて黄信号がともっている状況だ。その理由について、中野監督は「相手にすごく研究されている。(得意技の)中段突きの入る確率が昔に比べたら低くなっている。大柄の選手は植草に対して待ちを狙っていて、全体的に前に詰めてきたりとか、無理をしてこないっていうのもある」と話す。

 その対策として「入り方や相手に対するプレッシャーの与え方とかをしっかり鍛えていかないといけない」と指摘。体の大きい選手とのパターン練習だけではなく「(外国人)相手はやっぱり力が強い。両手では投げたらダメだけど、片手なら投げてもいいので」と接近戦に備えた投げ技の練習としてレスリングにも取り組んでいるという。

 一時期は中野監督から見ても重圧で体が動かず、相手に得点を許す展開もあったが「そういう経験をしたからこそ、乗り越えている部分もある」と一歩ずつ着実に歩みを進めている。

 約7年前に初めての記者会見で「あの夢の舞台で優勝します」と発した“空手界のきゃりーぱみゅぱみゅ”。夢舞台は1年延期となったが、その決意に変わりはなく、日本武道館で最高のパフォーマンスを披露する。


【男子】男子の3階級は75キロ級の西村拳(24=チャンプ)と75キロ超級の荒賀龍太郎(29=荒賀道場)の五輪出場が確実。67キロ級は、佐合尚人(27=高栄警備保障)と篠原浩人(30=マルホウ)の一騎打ちとなっている。

 67キロ級については先日、再選考の方針が示されたばかり。林監督は選手たちに同情しながらも「次の試合で(代表を)決めることになるので、前向きに考えると勝負ができる機会」とプラスに捉えている。

 現時点では、2018年世界選手権60キロ級で準優勝を果たした佐合が一歩リードしている。選考レースでは思うように勝ち切れていないが、林監督は「自分のペースに入ったらすごくいい試合ができる。紙一重のところでやっているので、自信を持ってやってくれたら」と太鼓判を押す。一方で篠原についても「失点が少ないし、目のいい選手」と話しており、逆転での五輪出場の可能性も十分にある。

 全階級でメダル獲得を目指す組手の男子だが、厳しい戦いを勝ち抜き、東京の舞台に立つのはどちらか。五輪の前哨戦からも目が離せない。