まさかの〝先制攻撃〟だ。立ち技格闘技「K―1」の年間最大興行「K’FESTA.5」(4月3日、東京・国立代々木競技場第一体育館)で行われる無差別級トーナメントに臨むMMAファイターの石井慧(35)が25日、都内で練習を公開した。

 体の状態を確認するようにマススパーリングやミット打ちで汗を流した石井は、防御からカウンターを狙う動作を披露。1回戦で激突する実方宏介(24)を想定しているかと思いきや「もしかしたら布石かも」。師匠のミルコ・クロコップ〝直伝〟の左ハイキックも見せつけたが「僕、地味に何でもできますからね」と話すにとどめた。

 昨年9月のK―1初参戦から2試合連続判定勝利。今回はワンデートーナメントに出場するとあって「トーナメント形式のスパーリングというか、試合形式で休憩も挟んでスパーリングをやるみたいな。より試合に近い形でやった」と話す。

 また、頂点に立つには3試合で勝利を収めなければならないが、スタミナには自信があるようで「1回戦から1ラウンド(R)で決められなかったらとか、体力温存とか考えていない」と言いきった。

 そんな中、実方の印象を問われると「映像を見る限りではムエタイベースで、若手で器用みたいな。自分ではスピードがあると言っているという感じ」。すると、自身が体重約113キロであるのに対し、相手が120キロ台から115キロに落として試合に臨むことを聞くと「体重は関係ないですね。体型というのは生活習慣から出てきますから。やっぱり乱れているんじゃないですかね」とチクリ。早くも〝口撃〟を仕掛けた形となった。

 ミルコから「もしも優勝できなかったら、優勝したやつを俺が倒す」と言葉を掛けられたことを明かし、笑いを誘った石井。「もちろん、自分が優勝するつもりで、そういう気持ちが伝わる試合がしたい」と力を込めた。