立ち技格闘技「K―1 WORLD GP 2022 JAPAN」(27日、東京体育館)で、K―1スーパーフェザー級王者のエース・武尊(30)が軍司泰斗(23)とのエキシビション戦で、6月の「キック頂上決戦」に向けて最高の仕上がりを見せつけた。

 武尊はこのエキシビション戦に、6月に予定されている〝キック界の神童〟那須川天心との決戦を想定して臨んだ。前日計量が58キロで当日は4キロ戻しの62キロで行われるため、今回もエキシビションにもかかわらず減量した上で26日に一度約3キロの水抜きを敢行。その上で体重を戻し、27日昼には自身のツイッターに「61.75キロ」と表示された体重計の写真とともに「リカバリー制限クリア。この体重でどれくらい動けるか楽しみ」と書き込んでいた。

 対角に立つ軍司も、武尊への敬意を込めて2日前には58キロに体を絞るなど〝仮想頂上決戦〟に向き合い、ゴングが鳴らされた。

 14オンスのグローブを装着して2分2ラウンドで行われたが、両者鋭いパンチと蹴りを交錯させる。1R終盤には軍司のパンチを顔面で受けた武尊が代名詞の笑顔を見せたかと思えば、2Rにはパンチの打ち合い。さらに那須川の得意技でもある胴廻し回転蹴りを共に出し合う一幕もあった。

 時間はあっという間に過ぎて終了のゴングが鳴ると、マイクを持った武尊は「6月に向けて減量だったり、次の試合に向けてのコンディション作りが大変だったんですけど、郡司選手も男気を見せて58キロに落としてくれて感謝しています」と感謝の言葉。さらに「K―1は僕に夢を与えてくれた舞台だし、もし僕がK―1からいなくなったとしても素晴らしい選手はたくさん出てくると思うし、みんなで盛り上げてもらえたらと思います」と、進退を懸けて臨む那須川戦への強い覚悟を口にした。

 もちろん、負けてリングを去るつもりなどさらさらない。最後に「那須川天心選手と人生かけた戦いがあるので、勝って『K―1最高』と叫ぼうと思うので。6月まで人生懸けて頑張るんで、応援よろしくお願いします!」と叫び、拍手を浴びた。

 一方、武尊に一歩も引かず渡り合った軍司は「武尊選手とやれて本当に最高です。これからのK―1は僕が引っ張っていくので任せてもらって、武尊選手は6月、思いっきり楽しんで下さい」とエール。そして自身は年間最大興行「K’FESTA.5」(4月3日、東京・国立代々木競技場第一体育館)への参戦を熱望した。