K―1のエース・武尊(30)が6月に実現する那須川天心(23)との「世紀の一戦」へ早くも〝必殺技〟を完成させた。「K―1 WORLD GP 2022 JAPAN」(27日、東京体育館)で同フェザー級王者・軍司泰斗(23)とのエキシビションマッチを控え、減量からサウスポー対策まで那須川戦への準備が着々と進んでいると告白。一撃必殺の自信を誇る秘策の中身とは――。

 昨年3月以来、11か月ぶりのリングに立つ武尊は23日に練習を公開し、シャドーとミット打ちで軽快な動きを見せた。「こっちが倒される可能性もあるし、試合を見てもらえば」とエキシビションとは思えぬ真剣モードで、6月に控える大一番を見据えた調整を続けている。

 那須川戦は契約体重の58キロから当日計量で62キロまでリカバリーが許される。減量が大きなテーマとなる武尊は、これを想定し軍司戦当日も62キロで迎える意向。「スタミナとスピードは上がったのかなと。パワーは落としたくないので、パワーを落とさずに体重を落とせるような体づくりを心がけてやってます。(スピードは)今までで一番速いですね」。肉体改造が順調に進んでいることに自信をのぞかせた。

 技術面ではボクシングの大橋ジムへの出稽古でサウスポーの武居由樹、中垣龍汰朗と「仮想・那須川」のスパーリングを重ねている。WBAスーパー&IBF世界バンタム級統一王者の井上尚弥からも「内容は言えないですけど、サウスポー対策は何パターンか教えてもらって。それを実践してから結構戦いやすくなって、的確なアドバイスをいただきました」(武尊)と助言を受けたという。

「負けたら引退」の覚悟も明言している一戦だけに、研究にも抜かりはない。武尊は、すでに「那須川戦専用」の秘策を用意していることを本紙に明かした。

「当たれば一撃で誰が相手でも終わらせることができるんじゃないかなと。パンチかキックか? そこまでは言えないですけど、僕が今までの試合で見せたことのないものです。サウスポー対策をやっていくうちに『これいいんじゃないか』と思って」

 井上ら超一流ボクサーたちの英知と、武尊の格闘技人生の結晶とも言える〝天心殺し〟が早くも完成しているというのだ。格闘技ファン待望の一戦まであと約4か月。日本中の注目が集まる決戦のゴングの時は、刻一刻と近づいている。