立ち技格闘技「K―1 WORLD GP 2021 JAPAN」(4日、エディオンアリーナ大阪)で、K―1ルール2戦目となったMMAファイターの石井慧(34)が、RUIに判定3―0で勝利した。

 試合は終始ペースを握ることに成功した。初参戦となった9月の愛鷹亮戦では終始ガードを固める手堅い戦法を取ったが、今回は打って変わってアグレッシブなファイトを展開。前回よりも相手の打撃を受ける場面は増えたが、ヒザ蹴りをボディーに食らいながらも前に出て、サウスポーからの強烈な左のパンチやローキックをヒットさせて圧力をかけ続けた。

 判定3―0で勝利した試合後は目標の京太郎戦に向け「次は誰ですか。中村プロデューサー。次、すぐに決めてください」と中村拓己プロデューサーに呼びかけるなど貪欲な姿勢も見せる。だが、自分よりも体重が約20キロ軽い相手からダウンを奪えなかったことに「体重差があって倒せないっていうのは、僕の何かが悪いんでしょうね。倒れないのは僕の至らないところなのかと思います」と反省の弁だった。

 それでも前回に比べ、進化の兆しは見せただけに気分は上々だ。相手のヒザ蹴りを耐え抜いたことに「腹筋していてよかった…。実は12月、東京に帰って目黒川のあたりを散策している時に河童を見まして。その時に河童から『腹筋を補強しておいた方がいい』と言われたので、やっておいたんです。河童様様ですね」と一部にしかヒットしなさそうなエピソードを真顔で披露した。

 さらに追い打ちをかけるように「実は試合中、前蹴りで一瞬飛んだんですよ」と、必要以上に声を潜める。そして「それで意識を取り戻したら、ふと観客席に宇宙人がいるのが見えたんです。そして頭の中に『こんなところで負けてどうするんだ』という声が響いて…。ロード・トゥ・京太郎選手のために負けられないと気合が入りました」と明かした。

 何はともあれ元気そうで何より。次戦はさらなるK―1ルールへの適応を見せてくれそうだ。