立ち技格闘技イベント「K―1 WORLD GP 2020」(13日、両国国技館)で、スーパー・ウェルター級王者・木村〝フィリップ〟ミノル(27)がアビラル・ヒマラヤン・チーター(21=ネパール)に2RTKO勝利を収め、10試合連続KO勝利を達成した。

 思わぬ苦戦を強いられた。開始早々から強烈なパンチを放っていった木村だが、185センチの長身から繰り出されたアビラルの右の打ち下ろしをモロに浴びてダウン。それでも左フックで倒し返すと、バックブローにカウンターの右フックを合わせて2度目のダウンを奪う。

 2Rに入ってもスリリングな打ち合いは続くが、左目上をカットしたアビラルの出血により試合がたびたび止められる。終盤になって再びドクターチェックが入ると、試合続行不可能の判断が下され木村のTKO勝利が告げられた。

 リング上では来年1月24日のビッグマッチ「K’FESTA.4」(国立代々木体育館第一競技場)出場をアピール。「そしてもっとスカッと勝って言いたかったんですけど、メイウェザー選手。日本で一番パンチがあるのは僕だと思うので、みんな見たくないですか? 格闘技界のためなら何でもする」と、「MEGA2021」(来年2月28日、東京ドーム)でエキシビションマッチを行うボクシング元5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(43=米国)の相手にも名乗りを上げた。

 会場には親交のある新庄剛志氏(48)が応援に駆けつけていた。7日に12球団合同トライアウトに参加したスーパースターはこの日、オファーがなかったことから復帰断念を明言したばかり。退場時に新庄氏とグータッチを交わした木村は本紙の取材に応じ「今日は『おめでとう』『ありがとうございます』くらいの会話しかできなかったですけど、アスリートとしてみたらすごいとんでもないことやってる。結果はどうあれ、やったことが素晴らしいので、お疲れさまでしたと思います。ずっと挑戦する姿は刺激になります」と語った。

 新庄氏にはトライアウト前から格闘界からラブコールが届いている。木村は「新庄さんは何をやっても絵になるし、何をやってもみんながついてくると思うので。自由に、頭のなかで描いたものは全部実現してもらえたら。適性? 強いんじゃないですか? 野球選手はフィジカル強いんで。やるなら見たいですよね」と笑顔で〝盟友〟にエールを送っていた。