立ち技格闘技イベント「K―1」は12日、エースの武尊(27)が「K―1 WORLD GP」(6月30日、両国国技館)を欠場すると発表した。初の国技館大会へ向けて起きたまさかの事態に、参戦する王者2人が闘志をみなぎらせた。

 この日の会見冒頭、中村拓己プロデューサーより武尊が3月10日のヨーキッサダー・ユッタチョンブリー(タイ)戦で拳を負傷したことが明かされた。「腱が切れて骨が外れてしまっている」ため、手術を受けて全治半年と診断されたという。

 これを受けてスーパーライト級王者のゲーオ・ウィラサクレック(34=タイ)は「武尊がいるに越したことはないが、他の選手が全力で戦うのでいい大会になるから大丈夫だ」と断言。旗揚げからともに盛り上げてきた最強王者は、安保瑠輝也(23)を迎え初防衛戦を戦うが「全力で戦う。なるべく長くベルトを守りたいから」と誓った。

 また次期エースとして期待されるスーパーバンタム級王者の武居由樹(22)は、同級の世界最強トーナメントに出陣。1回戦でアレックス・リーバス(18=スペイン)と対戦するが「1試合で武尊さんと同じだけ背負うことはできないですが(トーナメントの全)3試合トータルで背負うつもりで戦います。決勝は誰が来ても大丈夫だと思う」と、はにかみながらも鋭い目でライバルたちに視線を送った。