ボクシングのダブル世界戦(15日、横浜アリーナ)の前日計量が、14日午後1時から東京・千代田区のホテルで行われ、WBC世界フライ級王座のV3戦に臨む王者・比嘉大吾(22=白井・具志堅)がパスできずに王座を剥奪された。計量失敗での王座剥奪は日本選手初。

 1回目の計量で900グラムオーバーの51・7キロ。2時間以内に何度でも再計量することができ、リミット(50・8キロ)を下回ればパスとなったが、最初の計量から約1時間30分後の午後2時30分過ぎ、具志堅用高会長(62)のみが計量会場に姿を見せて「ギブアップ」を報告した。

 同会長は「このたびは重大なことが起こりまして、本当に申し訳ありません。比嘉は(最初の計量後)必死に体重を落とそうとしましたが、汗ひとつ出ません。選手を信用していましたが、(V2戦から約2か月の)短期間で試合を組んだことも含めて、私の責任です」と話した。

 これにより、比嘉の王座は剥奪されて空位になった。現段階では15日の試合は行われる予定。300グラムアンダーでパスした同級2位の挑戦者クリストファー・ロサレス(23=ニカラグア)が勝った場合は新王者となる。また記録更新がかかっている連続KOの日本記録(比嘉が勝てば16連続)も「有効」となる。

 ただし日本ボクシングコミッション(JBC)は、試合当日(15日)の午前8時から比嘉に計量を課し、ここで本来のリミットから10ポンド(約4・5キロ)以上オーバーしていた場合は、試合は中止となる。