【ボクシング】山中は2回TKO負け “汚れたボクサー”ネリに完敗

2018年03月01日 20時32分

山中はネリに完敗

 WBC世界バンタム級タイトルマッチが1日、両国国技館で行われ、元王者で同級1位の山中慎介(35=帝拳)は前日の計量をパスできず王座を剥奪された前王者のルイス・ネリ(23=メキシコ)に2ラウンド1分3秒TKO負けし、王座奪還に失敗した。規定によりWBCバンタム級の王座は空位になった。

 2ラウンド1分すぎ。このラウンド3度目のダウンを山中が喫するとレフェリーは試合を止めた。
 TKO負けを宣告された山中はリングにあおむけに横たわる。

 完敗だった。

 昨年8月15日。世界王座連続防衛日本記録(V13)に並ぶことがかかったネリとの試合は4ラウンドTKO負けというまさかの結末に終わった。

 日本中が衝撃を受けたプロ初黒星。だが5年9か月にわたって守り続けていたベルトが手元からなくなったことで、山中の闘争本能に久々に火がついた。

 帝拳ジムの本田明彦会長(70)は「山中はモレノとの再戦(2016年9月のV11戦)で燃え尽きていた。それが負けたことで、練習でも見違えるようになった」と昨秋以降の変わりぶりを説明する。

 これまでは「神の左」と称されるストレートで世界戦通算30回のダウンを奪い、幾多の相手をリングに沈めてきた。それを今回はガードにも多くの練習をさき、ネリのフックを封印することを目指したが、結果につなげることはできなかった。

 1ラウンドの開始早々は山中が左を繰り出すが、中盤以降は距離感をつかんだネリが反撃。終了間際にダウンを奪った。

 流れを取り戻したい2ラウンドも、山中は早々に左ストレートを被弾してダウン。通常ならカウント8まで休んで呼吸を整えるところだが、すぐに立ち上がるあたりに冷静さを欠いていたことがうかがえる。

 再開後は続けざまに2度目のダウン。さらに3度目のダウンで試合は終わった。

 試合後はけじめをつけるようにリング上から四方にあいさつ。「神の左」と呼ばれて時代をつくった名王者は、ドーピング&計量失敗という“汚れたボクサー”にピリオドを打たれてしまうことになるのか。