前WBC世界バンタム級王者の山中慎介(35=帝拳)が昨年8月にベルトを奪われた王者のルイス・ネリ(23=メキシコ)とのリターンマッチ(3月1日、両国国技館)で、ゴング直前の“闇練”に勝機を見いだす。

「リングに上がってからも、暗い中でコソコソ動いてようと思っています」。15日、都内の帝拳ジムで5ラウンドのスパーリングを行った山中はこう明かした。

 2011年11月の同級王座決定戦以来の「挑戦者」の立場で臨む世界戦は、先にリングに上がってネリの入場を待つことになる。「でもそれって、試合の準備のためには時間があるのでいいことだと思うんですよ」(山中)。自身がリングインした後、場内は再び暗転して王者の入場となるが、この暗くなったタイミングで最後のウオーミングアップをするという。さらには「決定戦の時も青コーナーで先に入場しましたね」と振り返る。今回も同じ青コーナーからの出陣となるが、先に入場することと合わせてこれは吉兆だと見ているのだ。

 この日で試合までちょうど2週間となり「練習してきたことの成果が出てる手応えはある」と充実した表情。ジムと高校の後輩でもある村田諒太(32)は昨年10月にダイレクトリマッチで雪辱を果たしWBA世界ミドル級王者となった。先輩もこれに続きたいところだ。