4日のWBC世界フライ級タイトルマッチ(沖縄県立武道館)で王者の比嘉大吾(22=白井・具志堅)は同級9位のモイセス・フエンテス(30=メキシコ)を1回2分32秒、KOで下して2度目の防衛に成功した。これでデビューからの連続KOを「15」に伸ばし、元WBC世界スーパーライト級王者の浜田剛史氏(57)らの持つ連続KO日本記録に並ぶ偉業を地元で達成した。

 凱旋マッチで記録達成の裏には、昨年末から取り入れた“世界のエキス”があった。

 比嘉を指導する野木トレーナーが昨年末に香港で約5万円で購入したのは、サンドバッグならぬ「ウオーターバッグ」。約80キロの重さがあり、ミドル級3団体王者のゲンナジー・ゴロフキン(35=カザフスタン)やサウル・アルバレス(27=メキシコ)といった世界のトップボクサーも使っている。

 このバッグの特徴は「殴った時の感触が人体に近い」(野木トレーナー)。さらに細長いサンドバッグと違って球形に近いため「いい角度で、下から打つことができるんです」(比嘉)という優れものだ。さらに拳への衝撃が少ないメリットもある。日々ここに打ち込んだ効果がフィニッシュの右ボディーに表れた。