V2比嘉大吾 具志堅の愛弟子“次の標的”

2018年02月06日 11時00分

15連続KOで防衛した比嘉

 目指すは「スーパーフライ」だ。WBC世界フライ級タイトルマッチ(4日、沖縄県立武道館)で王者の比嘉大吾(22=白井・具志堅)は同級9位のモイセス・フエンテス(30=メキシコ)を1回2分32秒、KOで下して2度目の防衛に成功した。これでデビューからの連続KOを「15」に伸ばし、元WBC世界スーパーライト級王者の浜田剛史氏(57)らの持つ連続KO日本記録に並ぶ偉業を地元で達成。今後は世界の大舞台で羽ばたくことを狙う。

 まさに電光石火だった。試合開始のゴングから152秒、左のボディーとアッパーから最後は「これは立てないだろうな」(比嘉)と自画自賛した右ボディーをめり込ませた。後ずさりしながら崩れ落ちたフエンテスはマウスピースを吐き出し、そのまま10カウントとなった。

 所属ジムの具志堅用高会長(62)が37年前にWBA世界ライトフライ級王座のV14戦でKO負けし、引退に追い込まれた沖縄での凱旋試合。同郷の師匠のリベンジも圧巻の1回KOで果たし「カッコいいと思いました」と自分を褒めた比嘉は「これからもKOにこだわる。僕はKOがなければ、ただの王者。特別な王者目指して頑張ります」と今後の抱負を語った。

 次なるターゲットとなりそうなのが、米国で開催されるビッグイベント「スーパーフライ」だ。このイベントは文字通り、スーパーフライ級のスターが一堂に会する大会。昨年9月にカリフォルニア州カーソンで第1回が開催され、WBO世界王者の井上尚弥(24=大橋)も参戦し6度目の防衛に成功。今月24日に第2回が予定されている。

 米国では中量級から重量級が人気の中心だが「ボクシングのバイブル」とも呼ばれる「リング」誌の「パウンド・フォー・パウンド」(階級差がないと仮定したランキング)で長らく1位に君臨したローマン・ゴンサレス(30=ニカラグア、帝拳)の登場により状況が一変した。

「狙うと言ってKOじゃなかったら、何か言われるのはわかってる」と倒すことにこだわり、実際に全試合KOを続けている比嘉のスタイルは「米国でも人気が出るタイプ。序盤はヒヤリとするパンチももらったけど、それを同じラウンドで修正するのも大したもの」(関係者)と高い評価を受けている。第1回「スーパーフライ」に出場した井上はバンタム級への転向を明言しており、怪物の“後継者”として活躍が期待されている。

 今後のマッチメークについて具志堅会長は「今日の動きを見たら、自己管理をしっかりやれば」と次戦もフライ級で防衛戦を行う方針。一方で、過酷な減量は限界に近づいてきている。

 1日に半身浴をしていた比嘉は足のしびれを訴えた。初体験の症状に「自分でも自分のことがわからなくなるぐらい」でパニック寸前に。この緊急事態に足を2時間ほどさすって対処した野木丈司トレーナー(57)は「親だったら(試合を)やめさせる」と振り返るほど。この時点での体重は「スーパーフライ級ぐらい」(同トレーナー)だったという。1階級上のスーパーフライ級で2階級制覇を目指すことは、決して遠い未来の話ではなくなっているのだ。

 比嘉自身は階級について「いい方向にいければ」と語るにとどめたが、ベストの階級で世界の舞台に立つことが「特別な王者」への近道だ。