前WBC世界バンタム級王者の山中慎介(35=帝拳)が23日、昨年8月にベルトを奪われたルイス・ネリ(23=メキシコ)とのリターンマッチ(3月1日、東京・両国国技館)に向けて本格的なスパーリングを開始。リベンジに向けて「ミリ未満の単位での精度」へのこだわりを見せた。

 フィリピンから招聘された2人のパートナー、WBCバンタム級12位で世界挑戦資格(15位以内)もあるマイケル・ダスマリナス(25)と、同国バンタム級王者のグレン・スミンゲ(29)を相手に計4ラウンドを消化。「今後は左の精度などを上げていきたい」と話した山中は再戦に向けて、スタンスの幅を狭くすることを意識している。

「僕は足を動かす選手。連打の合間にどれだけ“一発”を打てるか。スタンスを広くすると強いパンチは打てるけど、動けなくなる」と説明したが、その「狭くする」の単位は「だいたい3・8ミリぐらいですかね」。スパー初日だったこの日は「3・6ミリぐらいでやってました」と極限の数字を示した。

 この説明の際、顔が若干ニヤけており、数値は関西人(滋賀県出身)ならではのリップサービスの可能性もある。とはいえ、繊細な感覚を研ぎ澄ませ、昨年8月の対戦時よりも自分を高めるための改良に着手していることは間違いない。

 一度敗れた相手にリマッチで勝利というのは、ジム&高校の後輩でもある現WBA世界ミドル級王者の村田諒太(32)が昨年10月に達成した。その会場は、くしくも同じ両国国技館。最近は相撲で何かと騒動の場となったいるが、ボクシングではいい流れをつなげたいところだ。