【トリプル世界戦】木村翔 無尽蔵のスタミナ武器に日本人対決制す

2017年12月31日 21時16分

防衛に成功した木村翔

 WBO世界フライ級タイトルマッチ(31日、東京・大田区総合体育館)は、王者・木村翔(29=青木)が同級1位で元WBC同級王者の五十嵐俊幸(33=帝拳)を9ラウンド2分34秒TKOで下し、初防衛に成功した。

 無尽蔵のスタミナを武器に突進を続ける木村と、パンチを巧みにかわして決定打を打たせず何度も空を切らせ、王者に舌をぺろりと出させた五十嵐。お互いに目尻をカットし流血戦となった試合が動き始めたのは8ラウンドだった。

 左を続けて食らった五十嵐がグラつく。すかさず木村がラッシュをかけて一気に仕留めるかとも思われたが、五十嵐も一度クリンチに逃げた後は反撃に出る。元王者の驚異的な粘りに木村は空振りを連発。焦ったような表情を浮かべた。

 続く9ラウンドは五十嵐が左で先手を打つ。だが、すぐさま木村がワンツーで反撃。最後はコーナーに追い詰めてメッタ打ちにしたところでレフェリーが試合を止めた。

 7月には敵地・上海で五輪金メダル2回の“中国の英雄”ゾウ・シミン(36)をTKOで破る大金星を挙げたことで、現地での人気は急激に上がった。

 だが、都内の自宅は家賃5万円のマンション。「せめて倍ぐらいの家に移りたい」との希望をかなえるため、苦手のサウスポー対策として実に300ラウンドに及ぶスパーリングを敢行した。さらに普段の練習はミット打ちなどを、試合本番と同じ12ラウンドぶっ続けで行う。こうして得たスタミナで、自身、日本では初めてとなる世界戦のリングでパンチを繰り出し続けた。

 激闘を制し「勝ててホッとしてます」と安堵の表情を浮かべた王者。「2018年はもっと強くなってリングに上がりたいと思います」とさらなる飛躍を誓った。