WBO世界ライトフライ級王者の田中恒成(22=畑中)が6日、名古屋市内で会見を開き、王座返上とフライ級転向を発表した。畑中清詞会長(50)は「来年は転級して3階級制覇を目指します」と説明し、田中も「減量がもう無理だった」と話した。

 今年9月に2度目の防衛を果たしたが、両目の眼窩底骨折や裂傷で、年末に熱望していたWBA世界ライトフライ級王者・田口良一(31=ワタナベ)との統一戦は白紙に。「ケガした後も田口さんと統一戦がやりたい、ライトフライ級に残ろうかなと考えていた」というが、先月末に未練を断ち切った。

 ただ唯一の心残りが田口へのけじめ。「会見前にどうしてもひと言、謝りたかった」と5日にワタナベジムに出向き、本人に謝罪したという。「“すみませんでした”とひと言だけ。田口さんも大人の対応だった。減量が原因だとわかってくれているので。満足してライトフライ級卒業とは残念ながらならなかったけど、気持ちを新たにフライ級にいけます」

 フライ級転向初戦は来年の3、4月ごろを予定している。畑中会長は「挑戦者決定戦をやりたいとWBOさんに言っている」。会場は名古屋を希望しており、田中は地元から再スタートする。