新王者・村田諒太 来年末に「ミドル級頂上決戦」プラン

2017年10月24日 11時00分

ボブ・アラム氏(左)の祝福を受ける村田

 リベンジ成功だ。WBA世界ミドル級タイトルマッチ(22日、東京・両国国技館)で、同級1位の村田諒太(31=帝拳)が王者のアッサン・エンダム(33=フランス)に7回終了、TKO勝ち。不可解な判定で敗れた5月の王座決定戦の雪辱を果たして、新王者となった。五輪金メダリストが世界王者になるのは日本初。この快挙に“ボクシング界のドン”が注目発言だ。村田が「来年末にはミドル級で世界最強になる」という驚きのプランとは――。

 快挙の瞬間は唐突にやってきた。6回には村田の強烈な右ストレートにエンダムは後ずさり。あと少しでダウンというダメージを与えた。7回もダウンこそ奪えなかったものの、メッタ打ちに。勝ち目はないと判断したエンダムは赤コーナーに戻ると棄権を申し出て、ロンドン五輪金メダリストの勝利が決まった。

 5月の試合が不可解な判定負けだったこともあり、今回は「勝って当たり前」のムード。尋常ではないプレッシャーにも打ち勝った村田は「少しビックリした」と驚きつつ、涙を浮かべながら顔をクシャクシャにして喜びを爆発させた。その隣で満面の笑みを見せたのが、帝拳ジムとともに村田をプロモートする米トップランク社のボブ・アラムCEOだ。85歳の高齢にもかかわらず、勝利が決定するとリングに駆け上がって「今日は素晴らしいパフォーマンスだった」と祝福の言葉をかけた。

 現代の「ボクシング界のドン」と言える立場のアラム氏は、村田に「驚くべき(相手との)距離のセンスを持っている。ジャブはパワフルだったし、パンチも強かった」と最大級の賛辞を贈る。さらに「私は会見で『ムラタは半年後にはミドル級で世界最強になる』と言ったけど、その言葉に間違いはない。来年は全ての相手を倒すはずだ」とまで言い切った。

 世界のミドル級戦線では、WBAスーパー&WBC&IBF統一世界ミドル級王者のゲンナジー・ゴロフキン(35=カザフスタン)が頂点に君臨する。これに続く存在が元WBC同級王者で2階級制覇王者の“カネロ”ことサウル・アルバレス(27=メキシコ)だ。両者は9月16日に対戦して激闘の末に引き分け。年明けにも再戦が組まれるとみられている。

 アラム氏は本紙の直撃に村田の今後について「初防衛戦は日本で行うことになると思う。その次は夏ごろに米国。おそらくラスベガスで。そして、年末にはゴロフキン対カネロの勝者とやる」と驚きのプランを明かした。

 もちろんその前の2試合に勝つことが大前提となるが、ミドル級頂上対決リマッチの勝者と来年末に大決戦となれば、世界中の格闘技ファンが注目する超ビッグマッチ。ボクシング界のドンがここまで明言するのは、そのビッグプランが決して夢物語ではなく現実的な路線だということ。エンダムの心を折ってベルトを手放すことを決断させたこの日の戦いぶりが最高の評価を得た格好だ。

 五輪金メダリストが世界王者になったのは日本初だが、この快挙はゴールではなく「これからがスタート」(村田)だ。新王者は「まずは勝ち続けていくこと。米国の人からしたら『誰だよ?』というのはあると思う。あっちで証明しなければならないことがある」と“アラム・プラン”実現のため、さらにレベルアップしていくことを誓った。