【ボクシング】村田に飯田覚士氏がエール「重圧コントロールを」

2017年10月18日 16時30分

リベンジに臨む村田

 WBA世界ミドル級タイトルマッチ(22日、東京・両国国技館)で、同級1位の村田諒太(31=帝拳)が王者アッサン・エンダム(33=フランス)とのダイレクトリマッチに「リベンジ」成功となるカギは何か。同じく再戦でタイトルを手にした元WBA世界スーパーフライ級王者の飯田覚士氏(48)は、自身の経験を踏まえ「重圧のコントロール」と見ている。

 1997年4月29日、当時の王者ヨックタイ・シスオー(タイ)との12回戦を終え、判定の発表を待っていた飯田氏は胸騒ぎを感じていた。「勝ったと思うけど、何か空気が違うほうに流れているような気がする…」

 結果は引き分け。前年の世界初挑戦でアリミ・ゴイチア(ベネズエラ)にTKO負けしたのに続く失敗に「これ以上ないぐらいの練習をしたのに、オレはベルトを巻けない星の下に生まれたのか…」との絶望感に襲われたという。

 だが、8か月後に再戦が決定。王者は間に1試合挟んでいるものの、飯田氏にとってはダイレクトリマッチだった。

「当時は3度目の世界挑戦のチャンスがもらえるなんて珍しかったですから、これが人生最後のはず、試合6日前に次男が生まれたこともあって『負けたら家族で路頭に迷ってしまう』と思っていました」

 そうした思いはもちろん、プレッシャーにもなる。そこで試合に向けて意識したのは「前回は『取りにいく』姿勢が足りなかった。踏み込む、攻め込む。パンチは当てるんじゃなくて、打ち込むという気持ちで練習しました」。

 そのかいあって、試合は3―0の判定勝ちで見事にリベンジ成功。最後は限界を超えた状態で戦っていた。「最後のラウンドはパンチを打ちながら気を失いそうになってました。意識が遠のいて目の前が白くなりかけるのを、歯を食いしばりながらやってましたね」

 バラエティー番組「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」の企画「ボクシング予備校」出身で注目を集めた飯田氏は、五輪金メダリストとしての期待と重圧を背負う村田に対して「ずっと注目を浴びて相当なプレッシャーがあると思う」と、その立場を理解している。その上で「それをうまくコントロールして結果につなげてほしい」とエールを送る。

 最初の対戦で採点結果の発表を待つ間の嫌な胸騒ぎは飯田氏と村田に共通している。「引き分け」と「負け」の違いはあれど、ともにベルト取りには失敗した。それでも不平不満を口にせず、再戦に向けてより厳しいトレーニングを自身に課しているのも同じだ。

 2人の子の父としてWBAのベルトを狙うのも同じ。村田のリベンジには、飯田氏と同様の「重圧のコントロール」もポイントになりそうだ。