IBF世界Sバンタム新王者・岩佐 次戦はいきなり統一戦

2017年09月15日 11時00分

悲願のベルト奪取に成功した岩佐

 IBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチ(13日、エディオンアリーナ大阪)で、同級3位の岩佐亮佑(27=セレス)が王者の小国以載(29=角海老宝石)を6回2分16秒、TKOで破り、新王者となった。早くから素質を期待されながら、なかなかチャンスをつかみきれなかった苦労人が悲願のベルト奪取。「海外で勝てる選手になりたい」と今後の抱負を語った岩佐には、いきなり年末の超ビッグマッチが浮上している。これは“試練”なのか、それともさらなる飛躍へのステップとなるのか?

 鮮やかな、文字通りの先制パンチだった。1回終了間際「伸ばしたのが当たった」(岩佐)という左ストレートが見事に決まり、王者からダウンを奪った。続く2回にも左ストレートでダウンさせると、小国は6回に唇から激しく出血。試合を中断したレフェリーがドクターに診断を仰いだ結果、続行不可能と判断され、負傷TKOで岩佐が新王者となった。
  
 中学時代から自宅に近いセレスジムに通い、卒業後はすぐにプロを志すつもりだった。それが元WBA世界スーパーフライ級王者のセレス小林会長(44)から「アマチュアで経験を積むように」と言われ、千葉・習志野高に進学。高校3冠を達成して2008年にプロ転向したものの、11年には当時の日本バンタム級王者だった山中慎介(34=帝拳)にTKO負けで初黒星。15年にアウェーで行われたIBFバンタム級暫定王座決定戦のリー・ハスキンス(33=英国)戦もTKO負けした。
 
 岩佐も「ここまで来るのが長くて大変だった」と振り返る、決して順風満帆ではないボクシング人生。「ラストチャンスの気持ちで(リングに)上がっていた」という大一番を制して頂点に上り詰めた。だが、この先には驚きの相手が待っている。次戦にはなんと、WBA世界スーパーバンタム級スーパー王者のギジェルモ・リゴンドー(36=キューバ)との統一戦が浮上している。
 
 リゴンドーは2014年大みそかに大阪で天笠尚(31=FLARE山上)の挑戦を受け、危ない場面もあったものの、11回TKO勝ち。岩佐戦が実現すれば、3年ぶりの日本での試合となる。
 
 WBAスーパー王者は6月のモイセス・フローレス(30=メキシコ)戦が無効試合となり、WBAから再戦指令が出ているが、関係者は本紙に「IBF王者との統一戦を優先させてくれるはず」と自信を持って言い切る。IBFのベルトを目の前にブラ下げられ、15年10月にWBO王座を剥奪されて逃した「統一王者」の称号を再び得るチャンス。となれば、リゴンドーのモチベーションも大いに上がる。
 
 岩佐にとっては、米「リング誌」の「パウンド・フォー・パウンド」(階級差がないと仮定した場合のランキング)で5位にランクされる最強王者との対戦は“試練”となる一方で、「有名じゃなく強い選手に、海外で勝てるような選手になりたい」と話しているだけに、十分に戦意を奮い立たせてくれるだろう。
 
 この日の前座で戦った和気慎吾(30=FLARE山上)が「メーンで勝った選手と大みそかに戦いたい」と話したことについては「日本人は決定戦で勝ってからにしてほしい。IBFにはそういう制度があるし、僕はそうやってきた」と強気にピシャリ。
 
 試合前には小林会長から「世界王者にならないと見えない景色がある。それを見てこい」と言われて送り出された。その視界には、すぐにとんでもない強敵が現れる。後援者からは勝利のご褒美として約束されていたフェラーリが週明けにも渡される予定。新王者は「あいつ、調子乗ってるなとか言われそうですね」と笑いをとったが、年末の“試練”を乗り越えて結果を出せば、ふさわしい風格が出るはずだ。