【ボクシング】井上拓真1年ぶり復帰戦勝利も陣営の反応は…

2017年08月31日 16時30分

拓真(左)はベテランの久高と激しく打ち合ったが…

 WBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥(24=大橋)の弟で元東洋太平洋同級王者の拓真(21=同)が約1年ぶりとなる試合を30日、東京・後楽園ホールで行った。結果は世界挑戦経験4度の久高寛之(32=仲里)に3―0で判定勝ちだったが、仕切り直しの世界取りへ向けて課題も露呈した。

 拓真は開口一番、「もっと簡単にいくと思っていたけど、ズルズルいってしまった…」。ダウンを奪えず、ベテランの粘りに手こずった。

 昨年12月30日、当時のWBO世界バンタム級王者マーロン・タパレス(25=フィリピン)を相手に世界初挑戦する予定だったが、右拳を負傷し中止の憂き目に。左手一本でのスパーリングを黙々と続けたうっぷんを晴らすかのように、この日は久高と激しい打ち合いを演じるシーンもあって場内は沸き、試合終了のゴングが鳴ると大きな拍手が起こった。

 だが本人は「これじゃ世界なんて言えない」と言えば、父の真吾トレーナー(46)も「うちとしては違う」とバッサリ。その理由を「ファイターとして、引きたくない、という気持ちが出た。ベテラン(の術中)にはまった。パンチももう半分ぐらいは外したかった」と説明する。

 世界挑戦で相手の策にはまったら勝ち目はない。打ち合いはジャブでさばいて、チャンスが来たら仕留める。それができず、カウンター狙いもブランクの影響か「タイミングが合わなかった」(拓真)。陣営にとっては不完全燃焼。観客の盛り上がりと陣営の満足度は別問題だった。

 とはいえ反省点があるのは伸びしろがある証し。

 この経験を糧とすれば来年に見込まれる仕切り直しの世界挑戦で、結果はついてくるはずだ。