井上拓真が1年ぶり復帰戦 判定勝利も「これじゃ世界なんて言えない」

2017年08月30日 21時30分

久高(右)を攻める拓真

 WBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥(24)の弟で元東洋太平洋同級王者の井上拓真(21=いずれも大橋)が30日、東京・後楽園ホールで約1年ぶりとなる試合に臨み、久高寛之(32=仲里)に3―0で判定勝ちした。

「もっと簡単にいくと思っていたけど、最後までズルズルいってしまった…緊張もあったと思う」と試合後に話したように、ダウンも奪えず、4度の世界挑戦経験のあるベテランの粘りにてこずった。

 拓真は昨年12月30日、WBO世界バンタム級王者マーロン・タパレス(25=フィリピン)相手に世界王座に初挑戦する予定だったが、右拳を負傷し中止となった。左手一本でのスパーリングを黙々と続け、この日も左で試合を支配したが、やはりブランクの影響か決定打をヒットさせることができない。

 8ラウンドには拓真のパンチで久高が左目付近から激しく出血。これで一気に試合は動くかと思われたが、逆に9ラウンドには久高が連打で見せ場をつくった。最終回もガードを下げて挑発する久高に、明確にダメージを与えるようなパンチを打ち込めない。

 激しい打ち合いに場内は沸き、試合終了のゴングが鳴ると大きな拍手が起こったが、拓真は「これじゃ世界なんて言えない」と反省しきり。父の真吾トレーナーも「ウチとしては違う」と観客の盛り上がりとは別問題とした。

 仕切り直しの世界挑戦について大橋秀行会長(52)は「来年、バンタム級で」との見通しを明かした。不完全燃焼の再起戦も、まだ若い。「今日は貴重な経験ができた」(大橋会長)ことを糧にして、しっかり準備すれば結果はついてくる。