山中慎介V13ならず 4Rタオル投入でまさかのTKO負け

2017年08月15日 21時04分

ネリ(左)にTKO負けを喫した山中

 WBC世界バンタム級タイトルマッチ(15日、島津アリーナ京都)で、王者・山中慎介(34=帝拳)は挑戦者で同級1位のルイス・ネリ(22=メキシコ)に4ラウンド2分29秒、TKOで敗れて13度目の防衛に失敗。2011年11月に始まった長期政権はついに終わりを告げ、元WBA世界ライトフライ級王者の具志堅用高氏(62)の持つ連続防衛記録に並ぶことはできなかった。

 まさかの結末だった。赤コーナーとは逆サイドでメッタ打ちにされて山中は腰が落ちそうになる。ロープがあったため崩れ落ちることはなかったものの、反撃の手も全く出ない状況に、大和心トレーナー(42)はタオルを投げ込んだ。しかし背中側から投げ込まれたことに気づかないレフェリーは試合を止めない。たまらず大和トレーナーがリング内に入り、試合をストップさせた。

 立ち上がりはネリの左を見切っているように見えた。だが「試合開始から全力でいく」と陣営が話していたのとは裏腹に手数が少ない。2ラウンドからはネリのパンチが徐々に当たり始める。山中も左を打ち返すものの単発。クリンチに逃げるシーンも目立つ。

 そして運命の4ラウンド。左の連打を打ち込んでくるネリに対して、山中はダウン寸前になるシーンも見られた。これを何とかしのいだかと思われたが、最後はロープ際でネリの連打のえじきになった。

 足かけ6年にわたって12度の防衛を重ね続けたが、V1戦ではいきなり元2階級王者のビック・ダルチニャン(41=オーストラリア)との対戦が組まれるなど、防衛戦では延べ7人(アンセルモ・モレノとは2回)の元世界王者と戦った。安易に記録を伸ばすためだけの試合など、ひとつもなかった。

 それだけに記録のかかった今回の試合も、記録のための相手を選ぶことはしなかった。その結果として「V13」を達成することはできなかったが、だからといって山中が築き上げた功績がかすむようなことは決してない。

 ガウンをかぶり、うつむいてリングを去る「前王者」に対して、満員の大観衆からはまるで勝者に送られるような大「山中」コールが沸き起こった。

 記録には届かなかったが、その功績が「名王者」として多くのファンの記憶に刻まれたことは間違いない。